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小川谷廊下
木本 百子

山行日 1997年8月24日
メンバー (L)飯塚、山本(信)、小幡、井上(淳)、木本

 朝、タクシーの中で、ゲンさんが、「今日の沢は0級だ。」と言う。なぁんだ、そうか。この前行ったナメラ沢は1級だったから、「ちょろいわね。」と思ってひと安心。が、私にとっては、ちっともちょろい沢なんかではなかったのだった。
 穴ノ平橋でタクシーを降り、沢山はし子を下った所で沢に入る。前日、東京では大雨だったのだけれど、こちらでは降らなかったそうで、水が透き通っている。嬉しい!何だか、滑りそうで、こわごわ歩いていると、あっという間に前を歩いていた井上さんが見えなくなる。急いで歩く。あまり高くない滝をいくつも越えて行く。まるで慣れていない私は、なかなか上手に登れない。でも、登れない所では、ザイルで引いてくれるので何とか大丈夫。それでも、どうやって登ったら良いのかわからないツルツルした所が何ヶ所かあった。必死で登ろうと、ツルツルしているうちに、言葉通りの「お荷物」状態になって引き上げてもらった。(さぞ、重かったと思います。すいませんでした。)そんな所でも飯塚さんや小幡さんはいとも簡単に登ってくる。すごい・・・。やもりの様だ。きっと手のつくりが違うんだわ。見ると私の爪は、割れてボロボロになっている。ううっ。
 12時少し前にお昼。さっそく、きゅうりとトマトを切って食べていたら、「楽しい昼食って感じだ。」といって、みんなが笑う。その通り、楽しいお昼のつもりで、太陽の光でキラキラしている植物や沢の水を眺めながら、幸せな昼食を展開するつもりだったのだけれど、気がついたら、みんな、もう食べ終ってるじゃないか!何てこと、私はまだ三分の一も食べていなかったのだけれど、あきらめて、昼食を打ち切り、片付けて出発した。
 途中10mくらいの高さの滝で、ゲンさんが「すべり台をする」と言いだす。確かに上の方はすべり台になっているのだけれど、下の方は、全然すべれそうも無く、垂直に近い感じでゴツゴツしている。どうするんだろうかと、少し恐いような気持ちで、ワクワクしながら見ていると、一番上まで登るのは無理だったようで、辞めてしまった。この日は暑かったので、沢に入るのが気持ち良く、とても寒がっていた小幡さん以外は、すべり台をして遊んだ。
 河原の様な所に出て沢登りは終り。ぬれた服を着がえて、休みながらお昼ごはんの続きを食べて、又、幸せ気分に浸る。が、そうそう、ゆっくりしている場合ではないらしく、4時6分のバスに乗るために、大急ぎで歩き出す。途中、小さな蛇発見。かわいい。バスには十分間に合った。
 新松田駅前でラーメンを食べていくことにする。ここで、納豆豆腐というのを食べたのだけれど、(単に豆腐に納豆が乗っているだけのもの)結構美味しかった。以後、家でのダイエット用メニューに加わっている。
 次の日、情けないことに、全身筋肉痛になってしまった。でも、私にとって小川谷の沢は、ちょっとした冒険という感じで、とても楽しかった。沢って何てきれいなんだろう。助けていただいた皆様、本当にありがとうございました。


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