今年の正月合宿は当初、上高地周辺という設定であったが、結果は平成8年時のような分散型の合宿になってしまった。昨年平成9年はどうかというと、年度当初の予定通り聖岳での山行が組まれたが、1パーティー6名のみの参加であった。ベテラン、中堅、新人が一体となって盛り上がる、いわゆる『合宿』としては、3年連続して、言葉の響きは悪いが「失敗」であった。
一方で、ここ数年、5月連休の合宿は分散しても山域は二つ、参加人数も圧倒的に多い。この違いはなんなのだろう。一つ確実に言えることは、4月の年度当初に半年以上も先に実施される正月合宿の山域を決定しても意味がない。つまり、「会員各人が行きたい山に行く」ことを尊重する我が会の現状に、この手法はマッチしていないということだ。
私は、三峰のいいところは「会員各人が行きたい山に行く」ところにあると思っているし、私自身それを変えていくつもりもない。会長も同様のことを委員会で発言していた。かと言って、正月や5月の連休に、てんでバラバラに山行を組むことは、山岳会としての一体感、求心力を失わせることになるし、遭難対策上も問題がある。このジレンマは三峰が存在する限り続くのだろうか。
個人的なことに触れさせていただくと、委員長である私は、体調不良のため山に入らず、2年連続の正月合宿不参加となった。昨年の正月合宿の原稿でゲキを飛ばしていたのに、この体たらくと指を差されてもしょうがないが、私のレベルでは3,000mの冬山は気力・体力が充実していなければ、無理に行くと危険である。
前置きが長くなったが、結果として3パーティーとも当初の行程どおりにはいかなかったものの、それぞれに充実した山行であり、全員が無事下山したことは嬉しいことである。緊急連絡先になっていただいた原口さん、どうもありがとうございました。
パーティー編成と行動予定(結果は各パーティーの報告を参照)
槍ヶ岳隊…3名(L=小幡)
30日 | 松本~坂巻温泉~徳沢~横尾 | ||
31日 | 横尾~(横尾尾根)~天狗原 | ||
1日 | 天狗原~大喰岳~槍ヶ岳~(大喰岳西尾根)~槍平 | ||
2日 | 槍平~新穂高温泉~神岡 | ||
3日・4日 | 予備日 |
三岩岳隊…3名(L=田代)
30日 | 小豆温泉~三岩岳南尾根(1,400m付近) | ||
31日 | 三岩岳南尾根~三岩岳頂上~三岩岳避難小屋 | ||
1日 | 三岩岳避難小屋~三岩岳北尾根(1,300m付近) | ||
2日 | 三岩岳北尾根~小豆温泉 | ||
3日・4日 | 予備日 |
甲武信岳隊…5名(L=鈴木(章))
31日 | 新地平~雁峠 | |||
1日 | 雁峠~雁坂嶺~笹平小屋~甲武信岳 | |||
2日 | 甲武信岳~ミズシ~東梓~国師岳 | |||
3日 | 国師岳~(天狗尾根)~西沢渓谷入口 | |||
4日 | 予備日 |