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平成10年5月合宿 雨飾山・八幡平他
その2 雨飾山・大渚山
水田 洋

65山行 雨飾山 1963.2m、大渚山 1566.3m
山行日 1998年5月2日~4日
メンバー (L)水田、大久保、四方田、藤井

 5月2日、新宿8時ちょうど発の「スーパーあずさ3号」(あずさ2号は遠い過去になっとります)に水田、大久保、藤井の3名が乗り込んだ。終点の南小谷でプリメーラを駆る四方田氏とおちあい、登山口の駐車場へ向かう。
 今日の午後から天気が崩れるということで、駐車場での幕営がすでに決定事項となっていた。しかも、駐車場からみる稜線にはほとんど雪がなく、この時点で雨飾山から金山への周遊縦走の可能性はなくなり、好天時に雨飾山をピストンすることに決まった。案の定夜から雨が降り出した。

 翌3日、雨が降り続いており停滞を決める。私を除く3名は「暇だから」と言い残し、帰りの温泉の偵察と、酒・つまみの買い出しに出掛ける。私は日頃の睡眠不足解消に努める。
 午後になると雨があがる。テントでゴロゴロしてもしょうがないということで、近くにある「大渚山」(標高1566.3m)に登ることにする。旨い具合に65m山行が一つ稼げた。
 大渚山へは、雨飾山に向かう林道を少し奥まで入った湯峠(駐車スペースあり)から1時間もかからない。思ったよりも雪があるのと、トレースが無いのが嬉しい。濃いガスがかえって、森の深さ、美しさを演出してくれる。足慣らし以上に価値ある山であった。

 明けて4日、ピーカンである。尾根の取付きまでは、沢ぞいの水芭蕉が目を楽しませてくれる。しかし、ここは百名山の雨飾山、前にも後にも登山者が続くのが、うっとうしい。(といっても自分も他人から見ればうっとうしい存在である。)荒菅沢の横断地点の手前で、他パーティーに引きずられるように迷ってしまい、1時間近くロスする。雪が少ないとはいえ、荒菅沢は安定した雪渓になっており「ここを直登しようか」とも考えたが、安全策をとって夏道どおり尾根に取り付く。尾根にはほとんど雪がなく、5月連休の春山というよりは6月初旬の初夏の山である。
 急登を終えて稜線に出ても雪はほとんどない。頂上に付いて振り返ると、火打山の真っ黒な頂上が見える。「この時期に火打山に雪が無いなんて…」と唖然としてしまう。反対側の白馬・雪倉はさすがに白いが、山肌には黒い部分が多い。証拠写真を撮って下山にかかる。荒菅沢を直登してくるパーティーもいて、藤井さんが「荒菅沢を下ろう」というが、大久保氏が嫌がったので往路を戻る。登りの登山者との擦れ違いが多く、下山が結構長く感じる。
 さて、「山から下りてどうするか」が大問題となるわけだが、メンバーが大久保、藤井とくれば文句なしに「温泉旅館で1泊」との結論が出る。確かに、正月の塩見岳のときもそうであった。小谷温泉の老舗「山田旅館」に投宿して今回の山行を締め括った。
 最後に、京都からはるばる参加し、アチラコチラと移動に惜しみ無く車を出していただいた四方田氏に、メンバーを代表して感謝の意を表して終りとしたい。

〈コースタイム〉
3日 湯峠(13:45) → 大渚山(14:30~50) → 湯峠(15:25)
4日 駐車場(6:10) → 荒菅沢(8:20) → 雨飾山(10:30~50) → 荒菅沢(11:50) → 駐車場(13:20)

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