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集中山行 丹沢山
その3 キュウハ沢組
小堀 憲夫

山行日 1998年6月20日~21日
メンバー (L)小堀、(SL)小幡、小山

 山の上でだれかが自分達を待っていてくれるという状況は、何とはなしに良いもんですね。
 そう言う訳で私、集中山行好きです。今回丹沢山集中山行と聞いて、去年福間さんに連れて行ってもらって知っている、キュウハ沢のルートで参加することにした。丹沢ボッカ駅伝で好成績を出して意気投合した小幡と、小幡の例会にはほとんど参加している小山さんが一緒だ。
 土曜日の午後、新宿駅と本厚木駅で二人を拾って現地へ向かう。予定どおり、まだ明るい内に到着。早速林道の入口にテントを張って酒を飲み始めた。夜、宴もたけなわ、やはりキュウハ沢をやると言うパーティーがテン場の様子を窺っているので、塩水橋の横のスペースを教えてあげる。「ありがとうございます。」となかなか態度がよろしい。

 翌朝テントを畳んで出発。所々荒れた林道を進むこと1時間あまり、入り口のペンキのマークが草に隠れて分からなくなっていたが、去年の記憶と地形で判断して入渓点を確認。入渓の用意をしていると、夕べのパーティーがやってきた。見ると5人が5人とも物凄い装備だ。メットはもちろん、ガチャ、シュリンゲのたぐいは100メートルの滝でも登れそうだし、草付き用のアイスハンマーも立派だ。うん、安全対策は過ぎることはない。けど、重そう。こちとらはそそくさと出発。ところが最初の堰堤を捲こうとするがルートが無い。去年の記憶が消えていた。じきに見つけた堰堤左岸のはしごを慎重に登る。途中1・2度安全の為ザイルを出すが、楽しい沢登りが続く。キュウハの大滝は最初は捲こうと思ったが、右岸のチムニーを覗くとなんとか行けそうなのでトライ。難なくクリアーしてさらに上流へ。最後のガレで少し恐い思いもしたが、ほぼ予定どおり頂上到着。
 頂上では金子パーティーが既に到着していて、夕べ山荘に泊まった会長とともに
「みんな無事で良かった、良かった。」
 と談笑。
「あー、疲れた。」とばかりビールを飲みながらスパッツをはずすと、なんと5センチくらいのヒルが隙間に張りついていた。反射的に
「ヒェーッ!!」
 とデカイ声を張り上げてしまった。ほかの人もやられたらしく、しばらくヒル談義が続く。会長によると、タバコの煙を吹きかけたり、塩やムヒなどをかけるとポロッとはがれて血を流さなくてすむらしい。
 ミニ宴会の後、ほろ酔い気分で、
「こういうのも良いね~。またやろうね~。バイバイ。」
 と、それぞれのパーティーの車目指して下山した。


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