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最高峰富士山
小山 重彦

山行日 1999年1月16日~17日
メンバー (L)小幡、小山

 富士山初登頂を目指して、強風の中、気合を入れてテント場を出発する。吐く息も凍りつく冷込みであるが、このところ続いている太平洋晴れのため樹林帯を抜けると雪はほとんど無くなり歩きやすくなるが、なぜか足が非常に重たい。思えば、昨日は、今は誰も歩かなくなったという富士吉田駅から浅間神社、馬返しを越え、五合目まで歩いたせいなのだろう。
 夏は、たくさんの登山客で混み合う山であるが、冬はその姿を厳しく変えるので、訪れる登山者は少ないようで、見渡せば、パーティーが1組先行し、単独行で吉田大沢を登っている人がいるだけで寂しい。しかし、質実剛健なリーダーの小幡さんと次々と現れる山小屋に安堵感を覚え、御来光を仰ぎながらジグザクに直登し高度を稼ぐ。振り返ると、富士五湖から遠くに丹沢湖を望める。八合目と称する小屋が次から次に現れて何度も騙されたが、氷化した雪面や岩場を通過しながらひたすら登ると、意外にあっさりと頂上の久須志神社へ着く。
 日本の最高峰から望む雄大な景観は圧巻であるが、強風と寒さで体が凍えてくる。測侯所と火口をちょっと眺めて、唱歌『富士山』を一曲歌いながら、早々に下山にかかる。
 帰りは小幡さんと離れ過ぎて、途中でルートを間違い須走口方面へ下るが、小屋が少ないのと山中湖方向に下っている事に気づき、登り返して河口湖へ飛び込むように、一人、一気に走り下って帰路へとついた。


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