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奥秩父登山道の整備状況の報告
城甲 紀夫

 奥秩父の雲取山から笠取小屋迄の縦走路の整備が進み、以前の老朽化が著しい桟道は一新されました。特に、三条ダルミから狼平、飛竜権現、将監峠迄の桟道(木道)を含めた登山道は整備され、山ノ神土、西御殿岩、唐松尾山、黒槐ノ頭、笠取山、笠取小屋へと続く縦走路が歩き易くなりました。以前は桟道の老朽化が著しく、一部には崩壊の危険性もありましたが、更新、補修工事が実施され、安心して歩けるようになりました。
 尚、山ノ神土から東谷方面(縦走路でなく、巻き道方向)は水道局の“立ち入り禁止”の置き看板がありますので、指示通り唐松尾山への縦走路に入って下さい。縦走路の方が展望も良く、快適な登山が楽しめます。

 三条ダルミから将監峠間の整備状況は、次の通りでした。

  1  桟道の付け替え ・・・・・・・・・・・・・・ 18ヶ所
  2  登山道の整備  ・・・・・・・・・・・・・・ 15ヶ所

・桟道を破棄して石積み登山道に整備6ヶ所

・歩き難い登山道を石積み登山道に整備9ヶ所
  3  倒木を排除した箇所 ・・・・・・・・・・・・ 9ヶ所
  4  大きな倒木にステップを刻んだ箇所 ・・ 6ヶ所

 次に、山ノ神土(牛王院平の北側で、唐松尾山、和名倉山への分岐)から水干、笠取小屋への巻き道は“立ち入り禁止”となっていますが、現況(98年11月21日現在)は次の通りです。

  1  山ノ神土の東谷方面(現地の表示は御殿沢)への入口には“立ち入り禁止”の看板があります。
  2  山ノ神土から夏焼尾根迄の東谷には主に3ヶ所の沢が崩れています。1ヶ所はほぼ堰堤が完成し、前後の道も整備されています。1ヶ所は桟道が折れていますが、そのまま通行できます。一番手前の崩壊沢はロープが張ってありますので、山慣れた登山者は渡れますが、年配の方や女性は近付かない方が良いと思います。整備されていない2ヶ所は近々に整備に着手される模様です。
  3  夏焼尾根から黒槐尾根(中島川橋への分岐)の間は倒木が8ヶ所ありますが、通行には問題ありません。
  4  中島川橋への分岐から水干、笠取小屋迄は特に問題ありません。

 尚、この工事は水道水源林の巡視路整備と、登山者の安全及び自然保護を考慮した東京都水道局の更新・補修工事の結果です。11月15日に現地を拝見した折りに、縦走中の登山者に聞きましたが「素晴らしいですね」と皆さん感心していました。雲取山、笠取山付近の賑わいと一寸違った、静かな奥秩父の縦走を楽しんで下さい。但し、ゴミの持ち帰りにはご協力ください。

(98年11月27日記)

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