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五月合宿 浅草岳・守門岳周辺
その4-1 五味沢スキー 先発隊(前編)
福間 孝子

山行日 1999年4月29日~5月2日
メンバー (L)菅原、藤井、山沢、福間

29日 五味沢の先の白崩沢についたのは午前4時。道路横のスペースに雨の中テントを張り仮眠をとる。時々目を覚ますが雨は降りつづけている。今日の予定を考えあぐねている頃雨もやみ日がさしてきた。11時に道路が雪で塞がれているどんづまり迄車で行き、そこから林道にそって歩き出す。右俣沿いの道をいくと1時間程で監視小屋に着く。ここであんなによかった天気が急に雪、雨、あられとめまぐるしく変わりだし今日の行動はここで中止。ここから釣り組と山菜組に分かれて本日の食料調達タイムに突入する。当然その晩は山菜づくしに地酒、なぜか魚の姿は見かけなかったような気がする。
30日 5:30起床 天気は快晴。菅原氏の体調が悪そうなので朝食を片付けておいていこうとすると、「つめたいなあ 食べるものがないよう」と言いながらテントから這い出してきた。
 8時発。ルートは昨日と同じ道を行く。監視小屋からは展望小屋を右手にみながら浅草岳と前浅草岳の間の雪壁を目指す。みあげると大きなブロックがいまにも落ちてきそうな状態で尾根にひっかかっている。デブリもかなりでているし、早々に通過する。雪面は見た目よりも傾斜があり結構きびしい。途中から尾根に夏道がでてきたが、石の上をプラのスキー靴で登るのはつらい。12時にやっと浅草岳山頂に到着する。天気はこの上ないほどの晴天ですばらしい眺めである。
 まったく遮るものがなくなったので交信がすぐそこにいるように聞こえる。田代隊、小幡隊は藪のなかを苦戦しているようだ。なんだか申し訳無いような気になってくる。
 さて待望のくだりは、登るときずっと左手に見えていた、気持ちよく雪をつけて伸びる早坂尾根をすべることにする。山頂でうろうろしながら取り付きを探すが、どうも藪をこがなければならないらしい。すぐそこに見えているのになんとももどかしい。しばらくエッサモッサもがいていると右手に雪渓がみえる。皆で進路を90度旋廻して藪をつっきると、なんとなんと山頂からつづく雪渓ではないか。わたしたち無駄な藪こぎだったのね。もうちょっと廻りこんで探せばよっかたのだ、と思っても後の祭り。少しでも長く快適なすべりを楽しみたいので、またもやここから山頂へ向かって登り返す。スキー装着OK、いよいよ待ちに待った滑降だ。広い尾根は雪質もグッドで快適。守門岳を正面にこのまま飛んでいけるのではないかと思える。幸せは苦難のあとにやってくるのだ。最高最高と思いきや、苦難は幸せの後にやってきた。尾根から下りるルートがどれも急でここぞと決めておりたところがスキーかついでほとんど垂直の藪下り。あっちひっかかり、こっちひっかかり、ワレ~どうしてくれるんじゃい、とムカムカしながら沢の上部の雪渓に無事脱出したときには性格をもとに戻すのにかなり時間を要した。再度スキーをつけて滑り出すとまたもやアクシデント発生。菅原氏の大事なスキーが壊れてしまったのだ。これ以後菅原氏は、スキー隊の前になり後になりしてポチくんのように走って下ってきた。
 16:00監視小屋の前にぴたりと到着。林道を車のところまで戻り無事テントに帰還。おもった以上に時間がかかってしまった。
 やっとこれで洞窟風呂に入れると皆しておふろセットをもって出かけると夕方5時までで入れてもらえない。とうとう温泉療養は夢となってしまった。


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