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大菩薩峠集中
その2 小室川谷
荻原 健一

山行日 1999年6月5日~6日
メンバー (L)小幡、藤井、金子、荻原

 5日AM7時に西国分寺に集合。ここから藤井さんの車で奥多摩方面に向かう。2時間半程で三条新橋に到着、ガイド書によると小室川谷への降り口まで20分程となっているが、地図を見ると結構あるし、藤井さんの強い主張もあり泉水谷林道に車で入る。今思うに往復で2時間は短縮でき、ラッキーだった。小室川谷出合い付近で車を止め、出合いまでよく踏まれた踏み跡を下降する。出合いは明るく沢幅も4、5mある。すぐに二段8mとなり右から高巻く際一応ザイルを出す。その後、淵の深い滝が連続するがほとんど巻いてほぼ無償でS字狭三段8mに到着。ここはガイドによると泳ぎか、巻いて懸垂で降りるかになるが、先ほど出会った家族パーティーが腰ほどまでつかりながらもさっさと行ってしまい、彼らより足は長いだろうと自負する私としては追随せざるを得ず突っ込むことにするが、やっぱり腰まで濡れてしまうのだった。藤井さん、小幡さんと続くが、金子さんが来ない。ためらっているのかと思いきや、ちゃっかり自分一人高巻いて懸垂の準備をされているのであった。会長たるべき者としての拘りを感じさせる場面であった。S字狭通過後すぐに松尾沢を分け、5mの滝に出合う。泳ぎも必要なうえその後の滝登りも難度が高そうであり、左側より固定ロープを頼って高巻く。小室の淵も左より巻くと、中ノ沢に出合う。出合いから距離にして50m程遡行した所に、広いスペースがあり、幕を張ることにする。サイト地着は2時頃。金子さん、藤井さんは釣りに行ってしまうが、小幡さんと私は手持ち無沙汰で3時ころからビールを飲み始めてしまうのであった。その後日本酒やウイスキー、そして小幡さん恒例の山の歌まで飛び出して、みんな御満悦となり、私の手抜きレトルトカレーも許され、幸せな眠りにつくのであった。
 6日は午前5時起床。7時出発となる。昨夜相当飲んでいた金子さん、小幡さんはやばい感じだったが、さすがに出発前には調整していた。順調に遡行を開始し、いくつかの小滝群を越え15mの滝に出合う。左より大高巻きをして超える。ここより先は徐々に水流も細くなり、特に記憶に残るような滝もなくなる。出発してから2時間程で右よりジャヌケ沢を確認し、そこから20分程で左よりフルコンバ小屋沢を確認する。ここより1時間程ひたすら急登を詰めて大菩薩の稜線にでる。薮漕ぎもなく、疲れはしたが気持ちの良い詰めだ。心地よい風に吹かれて余韻に浸っていると、服部さん達のパーティーに出合う。集中だから当たり前だが、なんとなく嬉しくなる。しばらくするとブヨが気になり始め早々に集合地の大菩薩峠を目指す。峠に着くと既に田原さんや原口さん達が鍋を作って待っていてくださり、総勢20名程に酒も加わり大いに盛り上がった。1時ころ解散となり、我が隊は大菩薩峠、丸川峠を経由して牛首谷沿いの山道より泉水谷林道に入る。ここから2時間程歩くと車があるが、1時間ちょっと歩いた所で何と小幡さんが車のところ迄走って車を持ってきてくださるとのたまうので、間を開けずお願いしてしまう私であった。
 今回、私にとっては2年ぶりの沢登りであり、非常に楽しみにしていたが、パーティー、天気、沢に恵まれて期待以上の山行になりました。皆様に感謝するとともに、定期的に山に行かせてもれえるよう、かみさんをどう説得するか考えながら帰路に就くのだった。


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