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集中山行 万太郎山
その1 総括
金子 隆雄

 今年2回目の集中山行は8月28日~29日の2日間で上越の万太郎山で行われた。参加者は4パーティー計12名で、1回目の集中山行に比べるとかなり少ない人数だった。
 天候は、28日土曜日はまあまあの天気で日中は降られることはなかったが、集合当日29日の日曜日は朝からぐずついた天気で稜線上は風もありかなり寒かった。そんな中、縦走2パーティーは予定時刻の11時に万太郎山に到着していたが、毛渡沢パーティーは1時間半遅れで到着、赤谷川パーティーは時間切れで万太郎山には来れずに稜線に出たところで谷川岳方面へ向かい土合へ下山した。
 集中山行という観点で今回の山行を見てみると完全に失敗したと言えるだろう。また反省すべき点も多々あった。反省すべき点として、まず第一に登山計画書の提出先を間違えてしまったパーティーがあったことが挙げられる。これはうっかりミスであるが、そのために集合できなかったパーティーの消息をつかむのが遅れてしまった。一見防ぎようのないミスと思えるが計画書の提出先となっている人の協力があれば防げたはずである。そのためには参加予定の全パーティーを事前に計画書の提出先となっている人に連絡しておく必要がある。
 第二として各パーティーが他パーティーの行動予定を把握していないという点が挙げられる。ルームに出席していれば概要は判っているが最終的に計画書にまとめられた内容はつかんでいない。最近は携帯電話という便利なものがあるが、いくら便利でも相手の番号を知らなくては使うことができない。登山計画書には携帯電話の番号を記入する蘭がある。各パーティーが互いに計画書を取交わしていればこれらを知ることができるのである。また今回、各パーティーはアマチュア無線を携行していたが、集合できなかった赤谷川パーティーは事前に打ち合せた周波数に設定できなくて交信ができなかった。設定できないことが判ったのは金曜の夜だったが、このとき他パーティーの行動予定を知っていれば毛渡沢パーティーは土曜朝出発だったので連絡を取って周波数の変更が可能だったかもしれない。計画書1枚で色々な方策が立てられるのだ。やはり計画書を事前に取交わしておくことは非常に重要だと言える。
 遭難や事故は小さなミスの積み重ねで発生すると言われるが、小さなことを疎かにせずキッチリやることが安全で楽しい山行につながるものだと思う。
 参加パーティーの概要は以下の通りです。

・赤谷川本谷~万太郎山(L)荻原、他2名
・毛渡沢東俣~万太郎山(L)金子、他2名
・谷川岳~オジカ沢ノ頭~万太郎山(L)勝部、他3名
・元橋~平標山~万太郎山(L)豊田、他1名

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