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正月合宿 八ヶ岳
その2 行者小屋ベース隊
小堀 憲夫
山行日 1999年12月30日~2000年1月2日
メンバー 30日入山 藤井、山本(信)、井上(博)
31日入山 小堀、鈴木(章)、高木(敦)、金子(操)小林(健)
31日入山 小林(健)
31日夜入山 細川
1日入山 江村(し)、冨岡、勝部

 ベース隊はそれぞれの都合で5班に分かれて入山した。藤井、山本、井上の3氏は電車で30日に入山した。その日は行者に入るだけでくたびれたのか、山行活動としては、翌日にジョウゴ沢を数ピッチ登って遊んだとのこと。
 31日大晦日には、もみぢさんが単独で、アッコさん、アッチャン、新人の金子さんが小堀号で入山。荷物が重く、入山だけでくたびれた。その夜はもみぢさんの「スッポン鍋」で盛り上がった。
 翌朝早く、赤岳の頂上で初日の出を拝むべく、藤井、井上、小林、鈴木、高木、金子、小堀がヘッデンを点けて出発。歩き始めてすぐに、具合の悪くなった井上さんが抜け、地蔵尾根の途中でアイゼンが壊れたアッチャンが抜けた。辺りには濃いガスが立ち発ち込め始め、日の出は諦めたが、まあともかく上まで行こうと鼻水を垂らしながら、数パーティーと道を譲り合いながら登った。展望荘の回りには当然人が多かったが、辺りをミルク色に蔽ったガスに、皆「こりゃ、無理だね」と諦め顔。と、その時辺りが急に明るくなった。そう、正にご来光予定時間の5時50分になっていた。稜線左の東の空、濃い雲間にフワッと太陽が浮き上がった。
「ヤッター、ね、だから出るって言っただしょ」
「だれが言ったんじゃ」
さっそくカメラを構えた。ついでに記念写真。さらに頂上に向い歩いていると、反対側の稜線にブロッケンが。これも写真にとシャターを切っていると、すかさずアッコさん、
「それ私のブロッケンだからねー」
「ハイハイ」
今度は別の若者パーティーが、
「キャー、きれいっ! 空がキラキラ光ってる」と騒いでいる。見るとダイヤモンドダストができていた。
 頂上で一休みした後、当初は硫黄岳のほうに回る予定だったが、初めての金子さんも少し歩きにくそうだったので、阿弥陀岳に予定変更。阿弥陀の下りはしり制動ですべり降りた。途中で体調が戻り、阿弥陀に登る井上さんと会った。高木のあっちゃんは朝到着した細川さんと硫黄岳に出かけたとのこと。テントキープのゲンさんと合流してのんびり昼めし。
「午後は氷に行こうよー」
「もう酒飲んじまったしなー」ダメダ、こりゃ。
 結局、南沢の途中に氷を見たという藤井さんに、小堀と見学の金子さんの3人で偵察に出かけた。途中で江村、冨岡、勝部の3人が上がって来るのに会った。1時間くらい下ってって見つけたそれらしき氷は、腰の高さ。
「なーんだ」とがっかりしていると、
「ここだって練習できるよ」そう言った藤井さん、しゃがみ込んだと思ったら、ダブルアックスしながらゆっくり立ち上がった。
「ねっ」
「、、、」
頼みますよ、藤井さん、そういうことをまじめな顔でやらないでください。可笑しくって腹が痛くなるじゃないですか。
「まあ、いいか。今のギャグで許してあげよう」と金子さんと大爆笑してしまった。
 テントに戻ると、飯塚隊、小幡隊も到着していて三峰テント村は賑やかになっていた。夕食時、細川さんの鴨鍋テントを始め、江村隊のお刺身テント、その他色々テントと、まるで屋台村の様を呈していたのであった。もちろん酔いどれ族がふらふら徘徊し回っていたのは言うまでもない。
 翌朝はゆっくり出発して南沢で記念写真を撮った。皆さんは美濃戸で温泉に入り、ゲンさんと小堀は氷で遊び、解散となった。


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