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鳴虫山
鈴木 章子

山行日 2000年2月5日
メンバー (L)飯塚、小林(と)、鈴木(章)

浅草駅発日光行 7時14分 車内が集合場所
 小林さんは浅草駅から、飯塚さんは北千住駅から、そして皆のアイドル、アキチャンは春日部駅から乗車。全てが順調なスタート。
 日光の町も穏やかに、暖かく迎えてくれた。(この日は異常に気温が高かった。)
 駅についてから三人それぞれ身支度、小用を済ませ、9時45分に出発。駅前の通りを右に折れ、消防署を左に曲がり、地図と指導標に従い素直に進む。
 「人間こうでなくては」と一人心に思う。
 ゆるやかな斜面を登り出せば、暑い、なんて暑いのか。
 「雪が有るからアイゼン、スパッツは必需品・・・・・・。」
 誰がこんなことを言ったのか。
 雪なんて何処にあるのさ!
 捜して捜して捜しまくって北斜面にやっと。
 どうしてくれる背中の重み、言葉さえもみつからなかった。
 しかし、気温はたしかに低い。手袋は離せない。微風も頬に冷たい。地表は霜柱で波打っている。しかもその霜柱、飯塚さんが、24.5センチの足が乗ってもビクともしない頑固な奴。下山終了までしっかり地表で頑張っていた。
 急登と緩やかな下山を繰り返し、ピークを過ぎること三つ目、やっと出会えた山頂、2時間有れば絶対着きますこの山頂。展望もこの季節なら最高です。私は絶対お勧めします、ブラリ山行に。
 私、鳴虫山に行くこと今回で3回目。前2回もやはり冬だったが、山頂の北風には2回とも泣かされた。寒さのあまり昼食も適当に済ませ、風のない所を目指しそうそうに下山。しかし、今回の異常気象はそれすら裏切ってくれた。
 雲一つない青空、やわらかい日差し、僅かに雪をかぶった男体、女峰の山々、このままゆるされるなら昼寝でも・・・。
 が、そんな余裕はなかった。
 山頂での休憩1時間。休むことなく食べ続ける三人。山頂についた時いた10名ほどが全ていなくなった事すら気付かない。目的が達すればもう山なんて用はないと言わんばかり、下山に入った瞬間から三人の頭の中は温泉以外のなにもなっかた。
 急な斜面を気にもせず、含満淵を目指して下山。きつい登りになったって、ゆるい下山になったって、口は休むことを知らず、「アップダウンも恐かねえ。無理、無茶、無謀、我らのパワー右に出る者この世にあらず。」ひたすらしゃべりつづける二人に、私も参加せざるを得なかった苦痛。読者(?)は気付いてくれるだろうか。
 登山口まで下山、含満淵とは反対方向へ行くこと15分。「やしおの湯」という美しい温泉が待っていたのです。あいにく時間帯が悪く混んではいましたが、そんな事はおかまいなく三人全身を清め、玉のように美しくなり、心身共清々しく含満淵を目指し、化け地蔵にお参りをして駅に向う道をひたすら歩き続けました。
 約1時間、この間ある者は、「ビールが欲しい!」。また別のある者は、「腹が減ったー。」と我がままがまた始まったのです。
 ここでも、またまた私は付き合わねばならず、この辛さわかっていただきたい。
 駅前のただただ明るい食堂(東武日光駅へ行った方ならわかります。)で、ラーメン、餃子、ビールと、散々食べて飲んでしゃべった後電車に乗った途端皆「グーグー、グーグー。」 気が付けば私の下車駅春日部。その後のことは私は知りません。

 花の咲く頃、またこの山に行こうと思う。そして男体山、女峰山にもいつか。
 しかし、一日中歩いても野鳥一羽さえ出会えなかった今日。この理由を私は知りたい。

〈コースタイム〉
東武日光駅(9:25) → 山頂(11:25) → 山頂出発(12:30) → 登山口(14:00) → やしおの湯(14:15)
「やしおの湯」入浴料500円


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