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根名草山・追悼山行
服部 寛之

山行日 1999年10月23日~24日

 この山行は、故作田千恵子さんの追悼として企画したものです。恐らく、飯塚さん以降に入会した会員は知らないと思いますが、作田(旧姓高橋)千恵子さんは1983年の夏から91年の秋まで三峰に在籍していた会員で、優しく明るい性格で皆に愛された人でした。しかし91年10月23日、惜しまれながらも癌のため35歳の若さで亡くなりました。会では命日の丁度ひと月後、彼女が好きだった根名草山で追悼の山行を持ち、また岩つばめ第278号を彼女の追悼号としてまとめ霊前に捧げました。彼女と山を共にした会員は、私と同じく、今でも彼女との良き想い出を胸に大切にしまっているのだと思います。根名草山の山頂には追悼山行の際に埋めた彼女の分骨があることでもあり、折を見てお花を供えに行きたいと思っていましたが、たまたま私が委員長となった今年、彼女の命日が土日に重なっていたので、追悼を行なう良いチャンスと思い企画した次第です。またその際、(私の知る限り)これまで会の例会として試みたことがなかったくるまを使った交差縦走を取りいれた集中形式にしてみたら面白そうだし、千恵子さんにも楽しんでもらえるのではないかと考え、委員会では次のように4ルートを設定しました。

 (1)女夫淵温泉~根名草山・・・ピストン組 
 (2)女夫淵温泉~根名草山~金精峠・・・縦走隊
 (3)金精峠~根名草山~女夫淵温泉・・・縦走隊
 (4)湯沢~念仏平~根名草山~女夫淵温泉・・・沢登り隊
 *24日に根名草山の頂上に各隊集合、「偲ぶ会」を催し、解散。
 *(2)、(3)は互いの登山口に下山し、車を交替して帰京。

 ところがこの夏、音頭を取るべき私が不徳の致すところから右足をおかしくしてしまい、秋の追悼山行を目標にリハビリに取り組んだものの叶わず、また時期が日光の紅葉シーズンと重なり渋滞が予想されたり、泳ぎのある沢には今年の気温はきびしそうだと判ったりで、結局交差縦走は叶わず次のように金精峠からの4パーティーとなりました。また追悼も千恵子さんだけでなく、昨年末から相次いで亡くなった会友の渡辺恵美子さんと堀口久江さんを含めた合同追悼としようということで話が進んでいましたが、結局渡辺さん堀口さんの追悼は別に機会を設けようということになりました。

 (1)23日 金精峠~根名草山・・・山沢、鈴木(章)、牧野、遊佐
 (2)24日 金精峠~根名草山・・・佐藤(明)、太田(秀)、藤井、小林(と)
 (3)24日 金精峠~根名草山・・・田原、原口、小山
 (4)24日 金精峠~根名草山・・・細川、小幡
 *(1)はメンバーの都合により23日に単独で慰霊登山。(2)(3)(4)のパーティーは24日9時半に根名草山山頂に到着、偲ぶ会を持った。また(2)は23日に日光白根山に登った。

 尚、山行後、佐藤明氏が千恵子さんのご実家に追悼山行の報告と写真をお送りしたところ、ご丁寧にも次のような御礼状をいただきましたので、報告しておきます。

 前略
 この度小追悼会を催され一方ならぬお志を有難御座居ました。遠路根名草山迄登られ重い供え物を戴き、きっと一緒に楽しい一時を皆々様の心のこもった顔に感謝して喜んだ事と思います。プレートも奇麗にしていただき喜んでいると思います。家族一同お礼と共に感謝しております。三峰山岳会員の皆々様によろしく。
根名草山の山頂にて


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