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白馬風吹尾根変更 大渚山(おおなぎやま)
さとう あきら

山行日 2000年4月8日
メンバー (L)佐藤明、江村(し)、細川、福間

 白馬風吹尾根は、栂池スキー場上部の天狗原から北に向かう、ゆるく幅の広い稜線だ。ここから北小谷に至る尾根は、展望に恵まれたクラシックルートで、20年も前は多くの山岳スキーヤーを迎えていたらしい。今は蓮華温泉経由で林道を下るルートが一般化したためか、ガイドブックでもわずかに点線にてそのルートの存在が紹介される程度のものとなってしまった。古き良きルートの再発見を期待し、例会を企画した。
 4月8日、前夜半過ぎに栂池スキー場に到着し車中泊。 先発していた江村氏と早朝落ち合い、車一台をまず下山口である北小谷に回送する。そして栂池ゴンドラの前で8時20分の始発を待つが、強風のため運行見通しが立たないとの事。長いルートでビバーク覚悟とはいうものの、出発の遅れは気が気でない。結局9時20分に見切りをつけ、明日帰京前に気が向けば滑ろうかと考えていた大渚山へ行くことにした。
 ここ頚城(くびき)の大渚山は小谷温泉の裏にそびえ、雨飾山の前衛にあたる。以前から山スキー向きの山として知られていたが、小谷温泉山田旅館のガイドツアーなどで広く紹介されるようになり、急に脚光を浴びるようになったお手軽ルートである。
 10時40分、小谷温泉下にやっと駐車スペースを見つけるが、既に周囲は同じ山を目指す人の車で一杯。人気の高さがうかがい知れる。11時に出発し、先行トレースに導かれるまま高度を稼ぐ。トップを行く江村氏は、4月の今になってシーズン初スキーとの事。当初絶好調の歩き出しだったが、途中でスタミナが切れへとへとに。一方、今シーズンほぼ「毎週」スキーに乗っている福間、細川組は終始余裕十分。頂上直下の急斜面では、若人ボーダーなどの先行パーティ計20余名をゴボウ抜きし、オジサン、オバサンパワーを見せつける快挙に。私は江村氏にさらに遅れ、14時大渚山頂上着。周囲にさえぎるもののない大展望なのだが、疲労と春がすみで今ひとつだなぁ。
 14時半、大渚山北面に突入開始。確かに無木立の大斜面で一度は滑る価値がありそうだが、何しろクサレ雪で苦労の連続。それでも熱湯経由で車戻り時。なかなか楽しめました。
 今宵の天幕場は岩岳スキー場の駐車場。ブルの押した雪壁に囲まれ、目立たず快適環境。最近福間氏は、週2日は駐車場に泊まらないと不調になるのよとの事。パワーの秘密がこんなところにあったとは驚きでした。このまま週7日、上野公園に泊まるようになったら、ヒマラヤだって楽勝だね。
 翌4月9日は八方尾根最上部で大展望を楽しんだ後、下まで一本滑っただけで、塩の道温泉直行に。八王子解散時でした。


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