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編集後記
福間 孝子

 今年の正月は久々に故郷に帰り両親の顔を見て、ついでに紅白歌合戦も見てしまった。
 元旦は友人と急遽九州最南端の開聞岳に登りに行くことになった。「新しい世紀はここから始まるのだー」と突然の連絡にもかかわらず、元日早々ダンナと子供を置いて飛び出してきてくれたのである。20年以上の付き合いになるこの友人とは数年に一度しか会えないが、会うたびに温かく迎えてくれる。年下なのに私の人生の先輩でもある。
 最近は若い人(私より若いという意味で)に、とっても素敵だなと思う人が増えてきた。つまりは私が年をとったということなのかな。
 開聞岳の山頂より煙を吐く櫻島やおだやかな輝く海を見ながら、今年は大切にしていかなければならないものを少しづつ磨いていこうかな、などと殊勝なことを考えてしまった。
 正月は心新たにというけれど、やっぱりいろんなことを考え直すいい機会なのかもしれない。さて私にはどんな年になるのやら。


小堀 憲夫

 最近、仕事で「環境会計」というものを調べ始めた。これは「環境経営」の一環で、環境報告書の一項目として企業の環境保全努力を示す一つの指標だ。会計と言っても、通常言うような財務会計等とは少し違う種類のものだ。企業活動が様々な面で及ぼす環境への負荷をマイナス経済効果として捉え、それを積極的に回避する為の支出をプラスの経済効果とし、両者の関係でいわば環境面での損益計算書を作成し、企業努力を示そうという試みだ。
 20世紀は良く言われるように、大量生産、大量消費によるエネルギー大量消費の文明を爆発させた世紀だった。資本の蓄積に絶対の価値を置き、経済を膨らまし続けた世紀だった。その結果、地球環境はおろか、人間社会自体にもつけはまわり、これ以上放置すれば取り返しのつかないところまで地球環境を追い込んでしまった。
 そこで、21世紀を疲弊した地球環境を癒す為の世紀として捉え、社会に「共生」の価値観を醸成しようという動きが最近目立つようになってきた。前出の環境会計もその一つで、企業はもはや所謂外部不経済を社会や地球環境に背負わせるわけにはいかなくなった。
 ヒマラヤでも清掃登山が行われるようになった。少なくとも普段の山行で、自分のゴミの持ちかえりは徹底しようと思う。
 さて、その他、我々山屋は環境保全活動として実際のところ何ができるだろうか?


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