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女峰山
飯塚 陽子

山行日 2000年10月21日~22日
メンバー (L)福間、飯塚、小幡

 10月21~22日で、日光の女峰山に出かけてきました。
 土曜日の朝、いつもは座れるはずの東武鉄道・北千住7:10発は、既に満席状態で、まさに日光の紅葉を楽しもうという中高年の登山者で賑わっていた。
 9:10 日光駅着。電車に乗り遅れたと思われていた小幡氏ともなんとか合流し、3人で霧降高原行きのバスに乗車し、30分程で到着。空はすがすがしい青色の秋晴れの日で、大変に気持ちの良い朝であったが、我々が向かう赤薙山方面はなぜか?ガスに覆われていた・・・。
 赤薙山までの道では、赤と黄色と緑の美しいコントラストに染まった丸山を右に見ながら、静かな紅葉の山歩きを楽しむ。昼頃には、ガスもきれはじめ、回りの山々も見えるようになってきた。
 「秋の山も美しいなぁ・・・」と、感動しているうちに、女峰山も見えてきて、そのうち後ろを歩く小幡氏が「あれがオンナの山かー。やっぱりなぁ。」などと、しつこく繰り返しだし、静かな山の雰囲気を壊し始めたので、女性陣にかなりの攻撃を受ける。(別にイジメた訳ではないです。)
 風も強かったが、360度の展望が広がり、その周りの山々も雲海に包まれ、しばしその絶景に見とれる。女峰山はその名前の通り、神聖な雰囲気の漂うピークであった。その絶景を楽しんだ後、今宵の宿「唐沢避難小屋」に向けて山頂から20分程下った。福間リーダーお勧めのこの小屋は、立派な2階建てで小屋内も広く、きれいな毛布も用意されていて、とても居心地の良い小屋である。既に2パーティが小屋に入っていたが、この小屋を知り尽くしているリーダーが、すばやく2階を占拠し、宴会体勢を整えた。2階には外に張り出しているちょっとしたスペースのテラスがあり、ここで小屋で一緒になったカナダ人のダンさんと日本人の女の子のカップルと共にお酒を飲みながら、夕暮れ時の一時を楽しんだ。この夜は、久々に天の川もくっきり見える満天の星空で、乙女達はその静寂な雰囲気に浸っていた。しかし約1名はその静寂を破るかのように、夜空に向かって歌い続けていた・・・。
 翌朝、やっぱり二日酔いの小幡氏をたたき起こし、小屋から再び女峰山を登り返し、帝釈山に向かう。この稜線はちょっとした岩場が出てきたりして、アルペン的雰囲気の味わえる縦走路である。それにしても、この山域にはきのこの影がほとんどなかったのが残念であった。
 帝釈山には40分程で着き、前方に聳え立つ男体山がかなり近く感じられた。昨晩の宴会では勢いで「明日は男体山まで行っちゃおうか!」などと話していたのだが、今日になればそれは今度ということになり、ちょっぴり名残惜しい気持ちで?そのまま富士見峠に下った。
 富士見峠から馬立までは、立派な林道になっていて、道の脇には黄色に染まった大きなカラマツの木が等間隔で並んでいる所があり、それは思わず飾り付けをしたくなるような、美しいカラマツの木であった。馬立からは、笹原の広がる道を歩き続けたが、この道が結構長くて、おまけにガスも濃くなってきて、いい加減に飽きてくる頃、「裏見の滝」の駐車場に到着。そしてせっかくだからということで、「裏見の滝」を見学したが、この滝はなかなか迫力のある滝で、一見の価値がある。裏見の滝から落ちる水量は相当なもので、この時は小雨も降りだし寒かったのだが、滝の裏側に踏み跡を見つけた我々は、これも山屋のサガなのか?錆付いて壊れかけいるハシゴを登り、しっかりと裏から滝を見て、じっとりと衣服をぬらし、見学を終了したのであった。そして一般観光客は、下から冷ややかに見守っていてくれたのであった・・・。
 その後はすぐにでもビール&メシとつなげたい所であったが、国道120号は「いろは坂」方面からの帰りの車の渋滞で、バスの時間が全くあてにならなかったので、日光駅まで歩くことにした。お腹をすかせた3人はヘロヘロになりながら駅まで歩き、駅前のド派手な店(ちなみに外壁がピンク色)で、ビール&ラーメンを食べ、再び混雑していた東武線で帰途についた。
 久々の日光の秋山、楽しかったです!ありがとうございました。

〈コースタイム〉
21日 霧降高原(10:10) → 赤薙山(12:10) → 女峰山(15:10) → 唐沢避難小屋(15:50)
22日 唐沢避難小屋(6:30) → 女峰山(7:00) → 帝釈山(7:40) → 富士見峠(8:30) → 裏見の滝駐車場(12:20) → 日光駅(14:45)

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