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裏妙義・丁須岩・恩賀高岩
紺野 康則

山行日 2000年11月11日~12日
メンバー (L)佐藤(明)、紺野

 10日夜秋葉原駅で待ち合わせ、明さんの車で練馬I.Cに向う。高速に入るとすぐに明さんが「いやーのどが渇きましたねー」ということになり、早速寄居P.Aで幕営。ちゃぶ台は出てくるは、家庭用コンロは出てくるはで、おでんに舌鼓。明さんの車はなんでも出てくるドラエモンカーなのである。
 私にとって妙義山は初めて登る山。車から横目で眺めていた山、高さはないけど何かいいやつ・・・。などと思い巡らし寝袋に入る。
 朝、横川の麻苧(あさお)の滝入口に駐車。橋を渡るとすぐに落差60位のすばらしい滝を見ることができる。石仏のところを廻り込みながらのっけから体をふられる様なクサリ登りで、こんな道なのと思いながら、急登にあえぎつつ625mのコルに出る。ここからは道もしっかりしていて、枯葉いっぱいの道を踏みしめながら歩くのはとても気持ちが良い。御岳下の広い岩小舎をすぎて御岳にて小休止。それから登り下りをくり返し丁須の頭に到着。たくさんの人でごった返している。ここにゴジラの頭の様な丁須岩があり、高さは5m位で上から太いクサリが垂れ下がっている。ザイルを着けると明さんはかぶりぎみのところをさっさと登ってしまった。私があとから続くが、足もとが切れていて高度感がありドキドキする感じ。山伏にでもなった様にそのクサリに全身をあずけて辿りつくと、明さんが神様のようににこにこ笑っていた。久しぶりに垂直の岩にしがみついたらとてもビビッてしまった。西大星の尾根を下降しようと赤岩手前のコルから取りつくがルートがわかりにくい。ザイルも1本しか持ってこなかった事もあり、あきらめて丁須の分岐まで戻り鍵沢を下る。
 車に戻ると入山川を辿り下平の林道の奥まった所で幕営。さあ日が沈む前に焚火の準備だ。焚火は子供の頃の祭の様に心わくわくするものがある。つまり焚き木ひろいは祭の準備なのである。明さんは牛肉の塊をモリにつきさして焼きはじめた。焼き方も燻る様に焼くのがうまいとのこと。さかんに火のあたりを気にしている。その姿を見ているとふと思った。明さんの祖先は縄文人なのかもしれない。モリは石槍であり毛皮をまとったその姿は、風貌と妙に合っていると思う。
 明朝5時15分まじめに起きた。今日は恩賀高岩の岩峰をめざす。碓氷軽井沢I.Cから仰ぎ見える岩壁がそれである。西毛野外センターに駐車。センターの中を通りキャンプ場の所から高岩へと続く道が見える。崩れやすい沢の中の道を登り高岩へと続く道が見える。崩れやすい沢の中の道を登り高岩のコルへ。ここから右の雄岩基部へと廻り込むと、チムニー状になった岩場に出る。ここに約40mのクサリが付いていて、ここをいっきに登るとすぐに雄岳の頂上へと登ることができた。180度の大展望が望める。コルに戻り雌岳へ登ると岩窓から浅間山が見えた。尾根道を辿り左側へ下降していくと落ち葉の絨毯をずっと敷きつめたような所に出る。ここは家族でハイキングに来たら良い所ですね、などと話しながら車に戻った。行程2時間半の短い山登りだった。
 帰京途中甘楽の保養センターにてビールで乾杯。少し課題が残ったので来年頑張りましょうと約束した。

丁須岩

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