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一ノ瀬川竜喰谷(りゅうばみだに)
金子 隆雄

山行日 2001年5月12日
メンバー (L)金子、菅原、小林(と)、越前屋

 金曜夜に青梅駅に集合し菅原さんの車で出発。オイラン淵より一ノ瀬林道に入り竜喰谷出合いのちょっと先にある石楠花橋の手前の駐車スペースに着いたのが23時過ぎ。幕営後ちょっと飲んで就寝は1時頃だった。
 朝は寒さで目が覚めた。寒いだろうと思ってちゃんとシュラフを持ってきたのにそれでもかなりの寒さだった。朝食を済ませ準備して出発する。菅原さんは痛風の症状がでたのか膝が痛くて沢登りは無理そうだと言うので、下山口の三ノ瀬まで迎えに来てもらうことにして三人で行くことにする。
 林道を少し戻り、踏跡を辿って一ノ瀬川の本流に降りる。水は想像以上に冷たく脳天を突き抜けるようだ。もう少し出発を遅らせればよかったかなとちょっと後悔。竜喰谷に入るとすぐに4mの滝となり、滑りそうだけど右端を思い切って直登する。手がむちゃくちゃ冷たい。こんなんじゃシャワークライムなどもっての他、その先の滝も濡れそうな滝は全て捲いて越えることにする。
 やがてこの谷最大の下駄小屋ノ滝2段12mが現われる。釣人が一人危なっかしげに滝に取り付いて登っている。釣りが目的ならむきになって直登しなくても右岸にしっかりした捲き道があるのになあ。我々はこの捲き道を使って滝の上に降り立つ。何という軟弱さだろう。更に曲り滝10mもその手前の8m滝とともに右岸から大きく捲いて越える。釣人が多く入るためだろう、滝という滝にはしっかりと踏まれた捲き道がついている。
 右岸より中ノ平沢が出合うとその先からはナメと苔の美しい渓相がしばらく続く。大岩の左から水を落とす5m滝を右から簡単に越えてしばらくすると二俣となる。左はちょっと藪っぽそうなので右の沢へ入るとすぐに登山道が横切っており溯行は終了となる。何という呆気なさだろうか。
 沢装備を解いて登山道を三ノ瀬に向けて下る。唐松林の淡い緑色がとても美しく、いい雰囲気をかもし出している。道は途中二ノ瀬への道を分けているが、二ノ瀬への道は地図には載っていない(新しい地図には載っているのかも知れない)。当初は二ノ瀬へ下るつもりだったが、菅原さんが三ノ瀬まで迎えに来てくれることになったので三ノ瀬へとぶらぶらと下って行く。1時間ちょっとで三ノ瀬に着いてしまった。まだ正午前だ。三ノ瀬に着くのは2時頃だろうと菅原さんに言ってあったので当分来そうにない。
「酒でもあれば何時間でも待っていられるけどなあ、ぶらぶら歩いて行くか、どこかにビールでも売ってないかな」などと言いながら二ノ瀬方面へ下って行く。しばらく歩いてから越前屋さんが「あ、もしかしたら菅原さんは反対側から来て三ノ瀬で待っているかも」と一言。そう言われればそうだ、そのことは全く頭になかった。二ノ瀬方面から来るものと思い込んでしまっていたのだ。三ノ瀬まで戻ろうかとも考えたがだらだら下ってきた道をまただらだら上っていくのは気が進まない。とりあえず腹も減ったので道端に座り込んで一休み。小林さんが通りかかった車を止めて近くに店はないかと聞いているところに菅原さんの車が上から降りてきた。行き違いにならずに済んだようだ。
 犬切峠近くの展望台で笠取山、唐松尾山、飛竜山などの展望を楽しんでから帰途についた。

苔が美しい

 竜喰谷は名前から想像されるような険悪な谷ではなく概して穏やかな渓相である。春の一日のんびり遡行するには手頃な沢である。

〈コースタイム〉
出合(7:15) → 下駄小屋ノ滝上(8:00) → 曲り滝上(8:25) → 登山道(10:15~10:35) → 三ノ瀬(11:40)


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