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谷川岳芝倉沢スキー
さとう あきら

山行日 2001年4月14日
メンバー (L)佐藤明、福間、飯塚、箭内、山沢、四方田、山口、野口、藤井

 車3台に分乗して、谷川岳遭難碑のわきの駐車場に深夜集合。以前は無料で駐車自由だった所だが、ロープウエイ土合口駅そばに駐車場ビルが出来てからは勝手な駐車お断り、となってしまっていた。翌朝、起床予定時刻の少し前に係員に起こされる。高圧的なところのない、淡々とした物腰での車の移動願いに、以前あった谷川にくる登山者は金を落とさずマナーも悪い、という見方も変わったのかと感じさせた。特にこのような超人気百名山の場合には、登山者は気前の良い自然を大切にするお客様、が地元の人たちの現在の印象かも知れない。三峰ご一行様もそうでしたよね。
天神尾根上部と西黒沢源頭部  土合駅前に車を移動後、ロープウエイで天神平へ。だいぶ出遅れた8時過ぎの歩き出し。既にナント70名位が先行している。しかも大部分が我々同様スキー持参だ。いかに人気エリアなのかがうかがえる。トレースに従い天神尾根を辿り、谷川岳山頂へ。トマの耳は人間であふれているため、我々は誰もいないオキの耳での大休止とする。(10:30~50)。無風高曇りという好条件にも関わらず、皆は天神尾根を滑るのだろうか。ここから先へはわずか2パーティが先行するだけだ。
一の倉岳頂上より茂倉岳と芝倉沢源頭部  岩の露出する一の倉岳への道は、プラスチック靴には苦しい。特に鞍部からの急登では背負ったスキーが立木に引っかかり、ぐらぐら体調不良の四方田氏は一の倉沢に落っこちそうである。それでも何とか登りきった一の倉岳からは大展望が、そして足元には芝倉沢のカール状源頭部が大きく広がる。しかし困ってしまった。予定していた傾斜のゆるい堅炭尾根上の雪は既に消滅しており、この急傾斜の源頭部に滑りこむしかルートがないのだ。休息かたがたのアルコール補給で心を落ち着け、いざ出発。(12:00~20)
芝倉沢源頭を滑る  まずは斜滑降で多少でも傾斜の緩んだカール中央付近まで行くのだが、雪が堅く、キックターンさえも恐ろしく出来ない。一枚バーンなため転んだら200メートルは流されそうと思うと、ひざががくがくに震える。一方、山沢さんや箭内さんはさっさと行ってしまい、下でおーい早くこーい、などと気楽なことを言っている。技術の差がバッチリ出てしまった。それでも何とか降りたカール状下部斜面は傾斜も緩く広大なため、全員が十分に山岳スキーのだいご味を堪能したようだった。
芝倉沢カール状下部  ここから芝倉沢出合い近くまでは、幅約30メートルの沢の中を雪崩に気を使いながらも一気に滑り降りることになる。おおむね右岸よりを、デブリ通過に苦労させられる所もあったがほぼ順調に紅芝寮へ。やっと着いた安全地帯。飯塚さんや福間さん持参のワインに舌鼓を打ちながら、来シーズンの抱負を披露し合うのだった。(1:25~45)
 ここから更に1時間で土合橋に到着。お疲れ様でした。そしてその夜は水上駅ホーム真上のテント場での焚き火宴会。水道あり、マキあり、展望よし、そして酒屋近しの最高ロケーションでした。
 翌日は天神尾根を滑ろうよとの提案へも、スキーは芝倉沢で堪能しましたとの絶対多数意見。箭内さんご推薦の四万ダム上流にある「湯の泉」野天風呂へ。川沿いに石組みの浴槽が作られ、もちろん無料。女性にはちょっと難があるものの、なかなかうれしいフィナーレを飾ることが出来ました。

「湯の泉」野天風呂

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