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鷹ノ巣山集中山行
その3 峰谷川坊主谷
金子 隆雄

山行日 2001年6月2日~3日
メンバー (L)金子、紺野、斉藤(誠)、中沢(佳)

 土曜朝に青梅駅に集合し車で出発する。坊主谷の出合いまで車は入れるが下山のことを考えて三沢橋の空地に駐車する。三沢橋から20分の林道歩きで坊主谷の出合いに達する。土日ともに天気予報では晴れマークなので沢登りには最適なコンデションになりそうだ。
 慎重に地図で坊主谷であることを確かめてから入渓する(ここで間違えたら最低だからね!)。右岸の微かな踏跡を辿り堰堤を二つ越える。左岸は植林されたような杉林、右岸の崩壊地の上にはガードレールが見えたりして、何だかぱっとしない景観である。しばらく荒れた感じの河原を進むと小さなゴルジュとなり、中には滝が三つ連なっている。登ったら頭から水を被ることになるのでここは右岸のガラ場を捲いて行くことにする。3mの滝を越えるとまた堰堤が現れる。堰堤を越え更に2mの小滝を越えると幅広の5m滝となる。紺野さんは果敢にシャワークライムでびしょ濡れになりながら直登。残る3人はそれを見てやっぱり止めておこうと右岸を捲く。
 7m滝を左岸から捲いて稲妻形のナメ滝を越えるといよいよ核心部に差しかかる。2段16m滝はその手前の6m滝と共に左岸を捲いたが斜面は足元からズルズルと崩れて登りづらい。そのまま上段の落口の上まで大きく捲けば良かったのだが、バンドを伝っていったら下段の落口に出てしまった。右壁の途中からフィックスロープが垂れているが上部がつるつるで初心者には厳しそうなので左岸を捲くことにする。この高捲きもグズグズの露岩帯で悪そうなのでザイルを出して2ピッチで抜ける。続く3段10m滝を左岸より簡単に捲くと二俣となる。
核心部2段16m滝  同水量の二俣は左が中ノ谷、右が本流となる。二俣までは大きな滝も多く荒々しい感じを受けるが、二俣から上流は穏やかになりワサビ田跡が多く、動と静という感じで対照的だ。この先滝はあるものの問題となるようなものはなく快適に越えて行ける。ただ荒れたワサビ田跡が多くなり水流は石垣に狭められ用水路のようになり、石垣登りに精を出さなければならないのが残念だ。最後の二俣で左のシダノ沢を見送り右の坊主小屋沢に入ると水も涸れてガレを登って行くとヤブこぎもなくポンと登山道に飛び出す。二俣からは結構長く感じた。飛び出た所は鷹ノ巣の避難小屋の水場になっている場所だ。
 避難小屋まではほんの数分だった。既に榧ノ木尾根からの服部パーティ、浅間尾根から登り雲取まで往復してきた野田パーティが到着していた。すぐに巳ノ戸谷からの藤井パーティが到着。その後も続々とそれぞれのルートからのパーティが到着し、最後に水根沢谷の小堀パーティが到着し全員がそろった。
 小屋の外のテーブルで各パーティ入り乱れての夕食の仕度が始まり、なし崩し的に宴会へと移行し、焚火が始まると益々盛り上がっていく。さすがに20名以上が集ると賑やかで、他の登山者には迷惑をかけたに違いない。ひっそりと静かな夜を過ごしたいと思って来た人にとっては、この思いがけない大集団の騒々しさは大迷惑だったろう。集合場所等の事前の検討において配慮が欠けていたかもしれない、反省すべき点だ。
 翌日は服部パーティ、野口さん、菅原さんらと一緒に浅間尾根を峰谷へと下山した。斎藤さんは時間がたっぷりとあるから石尾根を下るということで別行動となった。

〈コースタイム〉
三沢橋(9:15) → 出合(9:35~9:55) → 二俣(12:30) → 登山道(15:10)

坊主谷溯行図

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