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丹沢水無川本谷(沢登り入門コース)
藤本 伸子
山行日 2001年7月1日
メンバー (L)小堀、越前屋、福間、小幡、四方田、山口、斉藤(誠)、天内、
中沢(佳)、高木(敦)、高橋(俊)、佐藤(明)+息子、藤本、(土肥)
沢デビューに付き合ってくれた面々

 祝! 遂に沢デビュー。あんなことするとは、想像してなかったんだけど・・・。昨日の私と今日の私は違う! その位の衝撃体験でアリマシタ。
 前日、飯田橋の雪印健保会館で救急法の講習を午前中受け、終了後、のらりくらりと小田急線渋沢駅に向かう。渋沢駅で車を出して下さった高木さん、越前屋さんらと合流。一路、あ、もちろん酒屋さんに立ち寄って、戸沢キャンプ場へ。すごいデコボコ道で、高木さんのピカピカゴールデン新車が、カワイソウ。
 川辺でキャンプファイアーを囲み、小堀さんお手製の豪華煮込み(汁?鍋?何??)&越前屋さんがお持ちになった本格派炭火焼き鳥で、当然盛り上がる。ワイワイガヤガヤ、学生時代に戻ったみたい。最近ルームにいらっしゃるようになった土肥さんは、夜10時過ぎにタクシーで駆けつけたし、四方田さんは絵に描いたような見事な酔っ払いと化していたし、そんな皆が気持ちを盛り上げてくれる。私は、明日の沢デビューを想像し、わくわくドキドキ。
 皆さんから、沢はイイヨーっていつも聞かされた。金子会長が、優しい目をして遠くを見つめながら、
「沢でね、川のせせらぎを聴きながら焚き火を囲み、満天の星の下で眠るのが、サイコォーなんだよ」っておっしゃってた。ハイキング出来れば十分、それ以外はノーサンキューって思っていた私も、いつしか心を動かされ、沢の参加募集に手を挙げた。そして、それが明日に迫っている。私のイメージする沢は、伊藤(め)ちゃんが上手に表現した「壮健美茶のCM」の世界。麗しく、涼しげで、幻想的。だから、JTBオーロラを観よう北欧ツアー(成田より添乗員同行します)にヘルメット持参で参加するような、ルンルン気分だった。
 そんな空気を察したのか、隣でお酒を呑んでいた越前屋さんが、私に待ったをかけた。
「ねー藤本さん、沢って、危ないんだよ(わかってんのかオメェ)。滝を登るんだよ。この水無川本谷も、簡単なお気軽沢じゃないよ。」「えっ?でも、水無川は水が無いし、講習会だから、すんごい簡単って皆さんおっしゃってましたけど・・・。えっ?えっ?」
 そして当日。
コースタイムも、内容も、詳しい事は覚えてないんですぅー。覚えているのは、頭が真っ白になって、ただ、必死にノボッタこと。滝が全部で9つあって、1つ「タカ巻き」したこと。水無川にも水はわんさかあること。1回足を滑らせ、宙ぶらりんになって、上から下から、パーティリーダーの越前屋(様×5)、高木(様×3)、斉藤(様×2)、高橋(様×2)の暖かく忍耐強いアドヴァイス&ヘルプを受け、引っ張りあげられたこと。途中、登った滝の傍らに、花が供えられていたのを発見し、硬直したこと。滝が終わった後、ハッハッハッハッって、炎天下のパグに変身しながら、フラフラになって頂上まで登ったこと。そして、山頂で会の皆さんが笑顔で迎えてくれたこと。あー疲れた。すごかった。危なかった。でも、面白かった。あんなに体力出し切ったのは、学生時代の部活以来だ。
 沢って、あぁーいうものなんですね!
歩くものと思い込んでいた沢で、思いも掛けず登りを迫られ、沢と岩登りの内容に区別がつかないと途中私がぼやくと、壮健美茶的爽やか好青年高橋君は、岩が濡れてるか乾いているかの差かなって、やっぱり爽やか笑顔で、簡潔に説明してくれた。総合力が問われる沢は、登山・岩登りを経験した人が、次のステップとして始めるのが一般的だって。そーだったんだ。無知ってこわい。
 今でも、あんまり危ない事はしたくない。木と花を愛でながら、ゆっくりと歩いて、写真撮ったり、絵を描いたりする方が理想的だ。でも、あの高揚感、超非日常感は、どうも忘れられない。ストレス発散効果300%だもん。もう一度やりたいな。だったら、ちゃんと登れるように、岩登りもしなくちゃな。そうだ、来年の岩の講習会出よう。
 最後に、先日「関東の沢」なる本をみたら、水無川本谷のレベルは1級上とのこと・・・。なんでこれが沢入門コースなんですかぁ? なんで講習会なんですかぁ? そして、あれを初心者コースとするなら、三峰の中級・上級者の方々は一体どんなことを沢でやっているの? 同行は絶対したくないけど、ヘリコプターで上からノゾイテミタイ。そう、思ってマス。


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