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仙ノ倉谷・西ゼン
紺野 康則

山行日 2001年9月8日
メンバー (L)野口、藤井、小林(と)、飯塚、紺野

 金曜の夜10時30分に東所沢駅に集合し、野口さんの車で出発。途中土樽駅手前の橋が台風で流されたらしく山側の道を迂回させられた。この道が実に気味の悪い道なので、皆でワァワァ言いながら通り抜けた。そうこうして夜中の2時半ころやっと土樽駅に着くことができた。電気のこうこうとした改札口で酒などチビリチビリ思い思いに寝ることにした。自動販売機がガアガアいってとてもうるさい。
 寝不足の中、朝5時半起床、車にて出発。ゲートまで10分くらいで到着。林道を少し行くと群大ヒュッテのあたりでつり橋を渡り、小1時間でダイコンオロシ沢に着く。ここから沢に入り東ゼン手前で小休止。
 さらにナメ状の滝を2~3越えると第1スラブ帯に入る。思っていたよりとても広いスラブなので、どこから登ろうかと考えていたら、藤井さんは真中をさっさと行ってしまった。飯塚さんが、
「右がいいわよ」とガンガン登って行く。僕も必死にそこを追いかける。小林さんと野口さんは誰に聞いてきたのかクレッター靴に履きかえると風車の弥七、いやとみさんは真中のスラブを風の様に走って行ってしまった。野口さんも風に押されてフラフラーッと登って行く。
「すべるよねー」とブツブツ言いながら第1スラブを抜けた所で小休止。高度がグンと上がったのがわかる。
「さっき休んだ所はあんなに下だねー」と言いながら、飯塚さんはおにぎりをムシャムシャ食べている。
 第2スラブ帯は右の草付きから行くことにした。藤井さんと飯塚さんと野口さんはさらに右の方に行ってしまった。小林さんと僕は、かすかに岩のルートをたどる。ルートはこっちなのにあの3人はどこへ行ってしまったのだろう。すると薮がガサガサ動いて木にぶら下がりながらこちらの方へ入ってくる3人。とても悪そうだ。皆が合流すると、右側からバンド状のルートを滝の落ち口に向って登って行く。ここで第2スラブも終了。ザイルも使わず登ってきたのでわりと早く登りきることができた。
 そこから少し枝沢をつめるとクマザサ帯に入り、つるつる滑る笹の中をヒィヒィ言いながら登っていると、ずっと上の方から、
「オーイ出たよー」と藤井さんの声がする。なんであのおじさんは速いのだろう。たぶん羽根がはえて飛んで行ったにちがいない。
 登山道に出ると、だいぶガスッてきた。靴を履き替えて、急な平標新道をひたすら下る。途中矢場の頭あたりで今日登ってきた第2スラブと第1スラブの一部が良く見えた。とても美しくまた来てみたい沢の一つになった。

〈コースタイム〉
ゲート(6:30) → 東ゼン出合(8:00) → 第1スラブ終了(9:10) → 第2スラブ終了(10:20) → 稜線(登山道)(13:00) → ゲート着(16:40)


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