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谷川・芝倉沢出合集中山行
その3 湯檜曽川本谷
高橋 俊介

山行日 2001年10月6日~8日
メンバー (L)小堀、紺野、高木(あ)、高橋(俊)

 最近、山に行き過ぎている。今週で3週連続である。ちょっとした通い婚である(?)。しかしこの湯檜曽川本谷だけはどうしても行きたかったのである。この沢はかつて私が大学時代の時挑んだ経験があり、その時の苦い体験がしこりのように残っていたため、何が何でも天変地異が起ころうともM・ジョーダンが復帰したとしても行きたかったのである。そうそう、M・ジョーダン復帰である。
「ビールッ腹が夢だった!」とか言ってたくせに・・・。オレなんか現実化しつつあり思慮している真っ最中なのに。チッ。

 それはさておき。

 一同朝7時に東所沢駅に集合しいざ谷川へ。予想通り3連休初日の朝なだけあって関越はのろのろペースが続く。車中、土合に着くのが遅かったら芝倉沢出合に幕を張っちゃおうか?!なんて冗談交じりに話していた。
 東黒沢の駐車場に着いたのが10時くらいでウツボギ沢パーティーを見送り我々も出発。天気はイマイチ。曇り空であり降ってもおかしくない天候である。湯桧曽川に沿って歩くこと2時間、出合に到着。現在12時である。入渓すればコースタイムで幕場まで4時間。
「リーダー!どうします?」
「うん。やめよう。」
即答であった。しかしこの瞬間われら湯桧曽パーティーは一つになった。まるで久しぶりにやったルービックキューブが完成したときのようであった。うわっ、全部赤になったよ!パパ!
そんなカンジでした。

それはさておき。

 それにしても我らがリーダー小堀氏。的確な判断である。実をいうと私と高木さんは前日飲み会で少々二日酔い気味であり、あまり気乗りしていなかったのである。それを瞬時にして読み取るとは、恐るべし。
 しかしまだ12時なので今から飲んだんじゃ酒が危うい!という死活問題に直面してしまった。そこで急きょ「高木あつ子のキノコ教室」が開催された。非常に勉強になり、1時間半ほどでどっさり取ることができた。
 キノコを取り終えるといよいよすることがないので焚き火に点火し飲み始めた。5時には紺野氏が出来上がってしまい、「オリンピックの花の舞台でトリプルアクセル決めちゃった伊藤みどり」みたいなとびっきりの笑顔になって焚き火の炎と共に揺れていた。
 翌日、今日こそは昨日で体力を蓄えた分一気に清水岳を目指そう!と意気揚揚と出発。空も晴れ渡っている。入渓地点に3人組の先行パーティーがおり今後もこのパーティーと抜きつ抜かれつで進む。魚留滝の時点で前回訪れた時と全く様相が異なっていた。記憶があいまいなせいもあるかもしれないが水量が全然違い、前回の時はもっと濁流に近い状態だった。特に困難なところも無く十字峡まで1時間で行ってしまった。それにしてもやはり上州の美渓のひとつに数えられる程の沢である。釜のエメラルドグリーンは見事としか言いようが無く個人的に、沢やっている人なら一度は必ず訪れて欲しい沢である。十字峡を過ぎてしばらく行くとすっぱりと切れて素晴らしく直線のゴルジュがあり真夏なら確実に泳いでいた。ちなみに私はこの先で泳いだが・・・。(そうです!あれは泳いだんです!コケたわけじゃありません!)
 送電線が走っているためルートファインディングがしやすく、この後も沢を楽しみながら遡行していくといよいよ核心部の40m大滝である。これも前回はあまりの水量の多さに苦労したが水量でこうも違うものかと思ってしまう程簡単に登れてしまった。登りきったところで長めの休憩をとる。水分もしっかり補給し、またまたちんたら進んでいく。すると明らかに清水岳に続いていると思われる枝沢に到着。再び、
「リーダー!どうします?」
「うん。やめよう。」
またもや即答である。またもやルービックキューブ完成である。しかしここでもリーダーっぷりを発揮。さっきの休憩で飲んだ水がな、なんと腐っていたのである。これは体調が心配される。いや、正確に言うならば発酵していたと言うべきだろうか。つまり水が、な、ナント酒に変わっていたのである!いや、そういうことにしておこう。ということで、結局枝沢を詰める。ルートファインディングも完璧で清水小屋にちょうど出る。
 清水小屋で着替えているとウツボギパーティーと思われる集団がちょうど下りてくるではないか!早速MOTOコールをかける。するとこれまた見事に手を振り返してくる!心待ちして下りてくるのを待っていると、全くの別パーティーであり皆恥ずかしそうに顔を隠しそそくさと小屋を後にする。
 そこから2時間ほど登山道を下る。落ち葉がちょうどよいクッションとなって、谷川岳らしくない快適で下りやすい道であった。
 すでに芝倉沢出合には広瀬さん等が到着しており、山の中で初めてシメサバを食べた。その晩はたらふく飲み食いし、なんとなく記憶が途切れ途切れなのでこれ以上書くことが出来ない・・・。しかし、次の日金子氏の酒臭さをみると盛大だったんだなぁと思う。
 翌日皆で下山し、温泉に入って帰路についた。皆さん、お疲れ様でした。

以上

(編集者注)
 文中筆者は小堀をリーダーと思い込んでいますが、実際のリーダーは、紺野氏でした。こりゃ、かなり記憶が溶けてますね、笑。


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