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谷川・芝倉沢出合集中山行
その4 一ノ倉沢中央稜
四方田 隆弘

山行日 2001年10月6日~8日
メンバー (L)小幡、四方田

 今年は本番も今回で3回め。リーダーが言うには「予定オーバー行き過ぎであるっ!」との事。一週間前にも通ったような気がする関越道をひた走り、夕方、一ノ倉沢の駐車場に辿り着く。早速、幕を張りおでんを肴に静かな宴。
 翌朝5:30出発。一週間前にも登ったような気がするテールリッジをひた登り、中央稜取り付きに辿り着く。一週間前と同じようにやっぱりバテる。
 相変わらず人は少なく静かな一ノ倉沢。中央稜は人影も見えず、2パーティほどが衝立岩の取り付きへ藪の中をごそごそとへつっていて、数パーティが南稜へ向かって歩いてゆく。
 登り始めると取り付きでザイルを解きだしたパーティがいて、あれれ、と思っていると、アンザイレンしてこれもまた南稜へ向かって歩いてゆく。なーんだ。
 中央稜はかなり垂直に立っているようだけれど、とくに難しいところもなく、高度感はありすぎで十分本番気分を味わえるルート。
 3~4ピッチめぐらいから、ガイドに連れられた熟年カップルのパーティに追いつかれる。ものすごい勢いで登っていて、岩登りをじっくりと堪能しながら登っている我々は、始終あおられっぱなし。何だってそんなに急いでいるのか。まったく、岩の楽しみ方を知らない人達で理解に苦しむばかりである。
 それは、あんた達がもたもたしているだけではないのか?などと言う輩は、私が起こした岩雪崩に埋まって生涯を終えることになるであろう。
 下りは、北稜を空中やら藪の中やら、ただひたすら懸垂下降。途中で、衝立岩を登って北稜を下ってきたパーティに追いつかれ、やっぱりあおられる。
 ピナクルに降り立って振り返ると衝立岩やコップ状岩がどどーんと見渡せ、あらぁーといった気分(どんな気分だ?)。
 今回の山行中で一番怖かったと思う衝立前沢を下って、駐車場へ着いたのは14:30頃。ビールで乾杯を3~4回、その後、清酒とウイスキーで更に乾杯を2~3回していいかげん酔払った頃、集中山行を思い出して芝倉沢出合へ出発。
 千鳥足の私は、ルート確認の名目でJR監視小屋分岐で大休止。地図を見ていると、芝倉沢出合は、これから行こうとしている上流と、もう一つは下流の2つ有るようである。心の中に黒ぉーいものがじわじわと広がって来るのを感じつつ、上流の出合までよたよた登る。
 着いてみると、だいぶ日が陰って薄暗くなった出合の林道に、先行していたリーダーの幕がぽつんと一張り。
 あやしい。ものすごーくあやしい。
 だいたい集中山行の場合、天気が良すぎたとか、沢に水があったとか、ちょっと思うことがあって、とかの理由でさっさと切り上げてきたパーティが、ぜったい一つぐらいは早々と幕を張って酔払っているはずである。しかも、沢のパーティが、わざわざ幕を張る為だけにここまで登り返すような計画を立てるとは、ぜったいに考えられナイ。仮に計画の段階で集中場所をこのような所に決めたとしたら大暴動が発生したことであろう。
 というわけで、さっさと幕をたたんで下流の出合へ出発。既に真っ暗になった道をとっとこ下って、やっと合流したという次第です。


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