トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ308号目次

編集後記

 今回三峰人名録を書くに当たり、昔の「岩つばめ」、特に50周年記念号を大いに参照した。あまり何回もめくり直したので、ページが一部はずれてしまい、接着剤で補修したほどだ。実に良くできた会報だと感心させられた。と同時に、「記録」の大切さをしみじみ実感した次第である。
 つねづね人間の本質は「記憶」にあると思っていた。記憶された考え方や行動パターンがその人の人格だし、思い出の堆積がその人の人生だと思う。私などは、今日の自分と昨日までの自分が違うのでは?と思うことが時々あり、自己喪失の不安から日記をつけないと落ち着かないありさまだ。
 「岩つばめ」は、その意味で三峰山岳会の「記憶」であり、「人生」であると思う。記録よりも山行活動自体が大切で、登ってナンボだ、という考え方もあるだろう。それは一面真実だ。だが、記録なしでは、少なくとも他の人はあなたの体験を知り得ない。さらに、会としての「記憶」は残らない。他人に知られなくても良い、会と自分は別物だと言い切る人がいたら聞きたい、「あなたはなぜ山岳会に所属しているのか?」
 最近、山行活動自体は活発になり、喜ばしい限りなのだが、一部に例会報告を軽視する傾向がある。「岩つばめ」の編集を預かる身としては非常に残念だ。その影響で、会報の発刊が遅れるようなことになると、例会報告の価値を理解し、大切にする人達や、忙しい日々の生活の中、時間を割いて編集を手伝ってくれている人達に対し、申し訳なく、腹立たしい。好きでやっている面もあるのだが、今まで外注していた部分を自前でやるようにしてコストを半分に減らし、その為に山行活動を犠牲にすることも時々あることを考えると、いい加減にしろよ!と言いたくなるのが本心だ。
 お願いがある。少なくとも、例会を持ったリーダーは、自分で責任を持って期日通りに例会報告を書くか、または指名したメンバーに書かせるように徹底して欲しい。
 今回はあえて少し苦言を呈してみた。

小堀

トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ308号目次