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毛無山・ハイキング
藤本 伸子
山行日 2002年2月3日
メンバー (L)服部、鈴木(章)、山口、天内、斎藤(誠)、伊藤(め)&藤本

 思えば、「歩く」目的で雪道を歩いたのは、この山行が初めてだ。雪道は、通学、通勤と、仕方なく歩くもので、コタツから窓越しに眺めるのがベストだった。っていうか、それ以外考えた事無かった・・・。今回の山行の大発見は、雪道は歩くだけで遊びになるってこと!そこらじゅうでスッテンコロリンして、いきなりサザエさんの世界に飛び込んだような、非常に単純で原始的な笑いにお腹を抱えた。それに、あっこさんと七輪天内さんは名コンビだってことも脳裏に刻まれた・・・。

 この冬一番の寒さといわれた2月の早朝、凍てつく八王子駅で待ち合わせ、リーダーの車で毛無山登山道口の駐車場まで行く。車を降りると、うっすらと雪が積もっていて、静かな銀世界。カッパを着込み、地蔵峠から山頂を目指す。

 ゆっくり登山道を歩きながら、ふと頭を上げると、雪の積もった木々の枝が、新鮮に目に映る。空からゆっくりと舞い下りる粉雪も、下から見ていると、時間が止まったような感覚に陥る。キレイ、キレイ、といつものルンルンハイクを楽しめる予感だ・・・ったんだけどな~。

 私がしばらくノンキに歩いていると、どうもこの道は違うんじゃないか?と何人かの方々がいい始めた。地図上の登山道と、様子が違うらしい。他をあたろうということになり、見えないルートを求めてヤブを漕ぎ始めた。初めての雪ヤブ漕ぎ。た、楽しいんだけど、つ、つ、疲れる。進めど進めど道は見つからないし、雪はどんどん深くなる。あ、あっこさ~ん!念じてみるものだ、思いは通じ、結局元の道に引き返すことになった。

 次のハードルは、ルートに戻ったすぐ後だった。沢を横切り、しばらく行くと地蔵峠の標識を発見。ここだ!道は合っている!助かった!が、喜びもつかの間、そこから二俣に分かれている道らしき雪壁(に見えた)でまた詰まる。???のまま左の壁を登ったが、道が続かない・・・。仕方ないので再び引き返し、右の壁を登ってみようと話がまとまる。皆さんは器用にひょいひょい壁を下ってしまったが、これが私にとっては、その日一番の大ハードル。非常に恐かった。天内さん&あっこさんご夫婦が、親切に見本を見せて下さる。進行方向に足を向けて、前かがみにならない様に、とアドヴァイスに従いながら、恐る恐る一歩一歩下る。大丈夫、大丈夫・・・、と言い聞かせている最中、なんと上から落下物が。上からめぐみちゃんが音も無くゆっくり滑り落ちてきた。彼女は叫ぶ事もなく、非常に冷静に結構な距離を落ちて、服部さんにぶつかり止まった。あ、危ない。私も驚いて声が出なかった。あぁいうときはラクって声をかけるべきだったハズ。本日の教訓だ。

 やっとこさで左の壁を降り、もう一方の壁に挑戦する。下りを考えると、気が重い。そういえば、出発から何も食べていないし、時間もおしている。温泉行く時間あるかしら?そこで再びマジックが!右の壁を登ってみたものの、道がみつからないということで、先を行っていた服部リーダーが無念の敗退を宣言。わ~い、じゃない、残念無念。不本意だが、また来るよ、毛無山。ちなみに、宣言直後の下りで、地蔵峠へ上がる道を発見した。白い板に書かれた案内は雪の中で保護色となり目に入らないし、入り口が振り返らないと見えない位置にあるので、見事に全員が見落としてしまっていた。

 下山途中でタープを張り、服部さんがお持ちになったポトフーとワインで心も身体も暖まった。食事中、天内さんは、今までいつものハイキング組からは受けなかった愛の集中攻撃を受け、タジタジだったと想像する。イジクリまわされても笑顔で応える寛容な天内さんを観察し、そうか、イジクッテもいいんだ!と発見してしまった。新たなキャラクターの誕生だった。

 帰りは紅富士の湯で汗を流す。ここのお湯は、肌がツルツルになって、おススメだ。

 最後に、余りハイキングには参加されない山口さんや、斎藤さんには、今回の山行は物足りなかったかもしれないのが心配だが、大勢で行く山は、やっぱり楽しい。またご一緒に毛無山挑戦しましょうね!


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