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春山合宿 後立山周辺・上高地周辺
その1 総括
委員長・服部 寛之

 今年のゴールデンウィークは、休みの長い人は4月27日(土)~5月6日(月)までの10連休、カレンダー通りの人は中三日はさんで3連休+4連休という、うれしい暦の巡り合わせとなった。会では、まず2月13日の委員会で、今年の春山合宿は原則的にツボ足隊と山スキー隊を切り離して考え、メインの日程を後半の4連休にすることに決めた。ツボ足と山スキーでは行動がまるで異なり、短い日程のなかで都合を合わせるのは双方ともに無理がかかるので、それよりも互いに別行動にしてそれぞれが充分に楽しんだ方が良かろうとの考えからである。続く2月27日の委員会で、後立山周辺で先発の山スキー隊とツボ足隊、後発の山スキー隊とツボ足隊の4隊を組み、加えてハイキング志向者には上高地・小梨平定着を用意することを決めた。そしてその後の経過のなかで、次のような募集原案[A]が固まったが、大集会とルームでの募集の結果、最終的に[B]のような編成となって出発した。

[A]募集原案
(1)先発山スキー隊: 4/27~5/6
   栂池~蓮華温泉~朝日岳~雪倉岳~白馬岳~槍温泉~小日向のコル~猿倉
(2)先発ツボ足隊I: 4/28~5/6
   親不知~朝日岳~白馬鑓ヶ岳
(3)先発ツボ足隊II: 4/30~5/6
   鹿島槍東尾根~白馬岳
(4)後発山スキー隊: 5/3~6
   猿倉~小日向のコル or 猿倉台地(定着)、大雪渓、白馬槍、槍温泉など
(5)後発ツボ足隊: 5/3~6
   猿倉~小日向のコル or 猿倉台地(定着)、白馬主稜、双子尾根、白馬槍の枝尾根など
(6)ハイキング隊: 5/3~6
   小梨平(定着)、焼岳、霞沢岳

[B]実際の入山パーティーと予定
(1)トーザカリ縦走隊: 4/28~5/1 (L)飯塚、他2名
   猿倉~白馬岳~朝日岳~親不知
(2)チカヅキ縦走隊: 4/30~5/6  (L)金子、他1名
   鹿島槍東尾根~白馬岳~定着ツボ足隊に合流
(3)定着山スキー隊: 5/3~6    (L)小堀、他4名
   猿倉台地定着 大雪渓、槍温泉など
(4)定着ツボ足隊: 5/3~6     (L)紺野、他5名
   小日向のコル定着 白馬主稜、杓子尾根など
(5)上高地隊: 5/3~6       (L)服部、他9名
   焼岳、蝶ヶ岳~長塀山

 連休中の天気は、前半の28日~2日は30日が雨だったほかは好天に恵まれた。後半の3日~6日は、雨は4日だけで、あとは好天だったが5日は強風が吹いた。連休中天気には概ね恵まれたと言えるだろうが、しかし入山日程と雨天との巡り合わせが良くなかったうえに、例年より2週間ばかり早い異常な暖化傾向のため山には積雪が少なく雪の状態も悪かった。
結局、入山5パーティーのうち予定通りの行動をこなしたのは栂海新道を行った(1)の飯塚パーティーだけであった。(2)の鹿島槍からの縦走パーティーは初日の雨で雪のコンディションが悪化したことがひびいて白馬まで行き着けず、唐松岳から八方尾根を下りた。(3)の定着スキーパーティーは、3日に大渋滞、4日に雨につかまったものの、適当な滑りと持参したマージャンで楽しく乗り切った。(4)の定着ツボ足隊は、5パーティー中最も不運に見舞われたパーティーで、悪状態の雪に泣かされどこの尾根も完登できず予定を1日切り上げての帰京となった。(5)の上高地隊は焼岳には登ったものの、あとは軽いハイキングや散策に切り替えてのんびりとした山の空気を楽しんだ。
 私としては、今年の春山合宿は、全体として終了後のスカッとした充実気分にいまいち欠ける印象がある。それには雪の状態や天気の巡り合わせだけでなく、中心となったメンバーらの山に対する志向の変化が大きく影響しているように思える。それを全体的なモチベーションの低下と取るか、楽しみ方の変化と取るかで評価はかなり違ってくるだろうが、いずれにせよ今の三峰の傾向を反映していることは間違いない。
 それはともかく、各パーティーの行動については以下の報告をご覧ください。


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