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白馬岳から祖母谷温泉 やめて蓮華温泉
谷川 健三

山行日 2002年9月20日~23日
メンバー (L)飯塚、鈴木(章)、谷川、西尾、脇坂、古野(野口氏友人)

 ルームでリーダーに参加を打診したら、「女が4人も行く豪華な山行に行く気なの!」と牽制されたが、めげずに参加。最終的には男3人、女3人に「豪華度」は低下した。
 20日 23時に新宿駅ホームに集合。飯塚さんから、黒部峡谷鉄道が落石で不通のため、計画変更が避けられないことを告げられる。しかし、その場で結論は出ず、とりあえず白馬小屋まで行くことに。急行アルプスよりも4分遅い臨時のアルプス83号に乗って出発。車内はそれほど混まず快適。大酒呑みはいないため、缶ビール程度で早めに寝る。
 21日 6時11分白馬駅着。6時15分発のバスに乗る予定だったが、急行アルプスが白馬まで運行の日は5時45分発に繰り上がっており、次の6時45分まで待って猿倉へ。
 準備を整え、猿倉を7時40分に出発。天気は晴れで山が良く見える。夏暑かったせいか、雪渓は痩せており、登山者で数珠繋ぎの秋道をたどる。大雪渓に下りる手前で、ハイキング仲間と一緒の秋場さんに遭遇。小生は何年か前にどこかの集中山行でお見かけして以来だったが、若干スマートになられたようだった。流れる大汗も以前ほどではない気がした。夕方、テントにビールの差し入れを頂き、感謝。
 9時41分、大雪渓に突入。各人マイペースになると、脇坂さんが若さにモノを言わせて先行し、低山ながら毎週のように山に行っている西尾さんも実力を発揮。逆に、飯塚さんは前週の山行の疲れが残っていたのか「ピッチが上がらない」と嘆いていた。
 10時15分、葱平。11時30分、避難小屋を経て12時30分、村営白馬小屋に到着。猿倉からほぼコースタイム通りだった。小屋裏のテント場にテントを張り、山頂に向かう。14時15分、白馬岳山頂。朝方に比べて雲が増え、あまり遠くまで見通せなかったが、まずまずの展望。
 テントに戻り、酒を飲みながら、翌日の行動を検討する。飯塚さんは、黒部峡谷鉄道は不通だが、祖母谷に下りてしまえば、遭難防止のため、黒部ダムまで関西電力のトロッコに乗せてくれる可能性が大きいと主張。章子さんも「清水岳経由で祖母谷温泉へ行くのが30年来の夢だったのよ」と祖母谷への思い入れを大げさに語る。しかし、トロッコに乗れない場合、「下ノ廊下」を延々と歩くはめになり、連休中に東京に戻れなくなるため、健全な社会人である男3人は蓮華温泉への変更で意見が一致。結局、パーティを二つに分ける方向で、服部委員長の了解を得ようということになった。一回目の電話では了解を得たが、委員長がわざわざネットで調べて「下ノ廊下」も通行止めになっていると連絡してくれ、飯塚さん、章子さんも祖母谷行きを断念。行き先を蓮華温泉に変更した。
 22日 5時起床。6時半、村営小屋を出発。雲海が広がって下界は見えないが、遠く八ヶ岳や富士山まで見通せ、前日よりも眺めはいい。7時5分、再び白馬岳山頂。飯塚さんと章子さんがひときわ形のいい山を指して「水晶岳よ」と言うので、地図で確かめようとしたが合わない。変だなと思っていたら、そばにいたおじさんが「剣岳だよ」と教えてくれた。二人のような大ベテランでも間違うことはある。何事も自分で確かめることが重要と再認識。
 7時35分、三国境。8時20分、小蓮華。9時55分、白馬大池に到着。まだ紅葉は始まったばかりだが、天候にも恵まれ、景色は素晴らしい。柄にもなく章子さんまで、「ここでのんびりするのが夢なのよ」と悦に入っていた。
 10時35分に白馬大池を出発。11時20分天狗ノ庭を経て、12時30分、登山道わきの蓮華温泉露天風呂に着いた。露天風呂は離れて4つあったが、下から入りにきた温泉客が多く、結構混んでいた。女性陣は入湯をあきらめ、男3人で一番下の黄金の湯に入る。湯は少し温めで、ゆっくりと入っていられたが、途中で水着のおばちゃんが侵入してきたのは興ざめだった。
 13時40分、テント場に到着。このころから雨が本降りになる。翌朝までにテントの隅が水浸しになったが、行動中にたたられなかったのは幸運だった。夕方、小生以外の5人はロッジの内湯に入湯。夕食の前後、お試し山行の古野さんに対して、飯塚さんと章子さんが何度も「入会するんでしょ」「これだけ世話になって入会しないの」などと強要したが、古野さんは最後まで首をタテに振らず。夕食後、早めに就寝。
 23日5時、飯塚さんと章子さんが露天風呂に行く。9時25分、蓮華温泉発のバスに乗り、10時30分に平岩駅着。電車が来るまで時間があったので近くの姫川温泉に入る。かなりガタがきた温泉旅館だったが、お湯は気持ちいい。南小谷でスーパーあずさに乗り換え、東京に帰る。途中、穂高駅から、昔、会にいたアベ女史が乗り合わせる。相変わらず山に行っている様子。
 なお、もっと簡潔で要領を得た山行記録は西尾さん個人のHP(http://www.asahi-net.or.jp/~pn3h-nso/)にあります。写真付きで、すごく立派です。

蓮華温泉の露天風呂なのだ

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