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集中山行 奥多摩・川乗山
その1 総括
委員長・服部 寛之

山行日 2002年7月20日~21日
集合 20日16時 川乗山山頂
入山パーティーとルート
(1)川乗谷逆川:(L)金子、他4名(含子供1)
(2)入川谷布滝沢:(L)藤井、他3名
(3)入川谷布滝沢~山道~速滝から本谷遡行:(L)小堀、他3名
(4)入川谷本谷:(L)鈴木(章)、他4名(含子供1)
(5)丹波川本流:(L)野口(芳)、他2名
(6)川井駅~上日向~獅子口小屋跡~曲ケ谷北峰~川乗山:菅原ファミリー4名(含子供2)
(7)奥多摩駅~本仁田山~川乗山:(L)服部、他4名
(8)(20日単独)川乗橋~川乗山~鳩ノ巣:内山
(9)(21日単独)古里~川乗山~鳩ノ巣:小幡

 昨年6月の第1週末に鷹ノ巣山周辺で行なった集中では、まだ沢が冷たかったとの声が上がったので、今年の集中第一弾は1月半遅らせ、梅雨明けの時期を狙って7月の第3週末に計画した。選定した場所は奥多摩の川乗山(川苔山)。ここも鷹ノ巣山のように周囲に手頃な日帰りの沢が並ぶうえに登山道も四方から通じ、さらに都内からのアクセスも簡便と、夕方集合夜宴型の集中には三拍子揃った場所である。幕営場所は、夕方から設営すれば誰にも迷惑にはならないと踏んで、山頂東側の肩にある茶屋前の平地とした。(この茶屋は以前休祭日には営業していたのだが、今は開放小屋となっている。小屋の50~60m東側には今もトイレが設置されている。)
 参加したのは前述の7パーティー29人(含子供4)と単独行の2人だが、集合したのは到着順に(6)菅原パーティー、(2)藤井パーティー、(1)金子パーティー、(7)服部パーティー(途中1人撤退)、(3)小堀パーティーの5パーティー21人(含子供3)だった。(4)の鈴木パーティーは、終了点近くでメンバーの一人が落石で左手指をケガするという不運に見舞われ、たまたますぐ後続していた小堀パーティーに事故を知らせて直ちに下山、病院に急行した。(5)の野口パーティーは、この集中後に予定していた黒薙川北又谷遡行のトレーニングを兼ねて丹波川本流というアサッテの方向に入溪、終了後細倉橋から登ってくる筈だったが、(案の定?)登ってくる気力は残っていなかった。(8)の内山さんは、仕事の都合で集合はできないものの何れかのパーティーとの邂逅を期待して入山、うまい具合に金子パーティーと行き会うことができた。またこの他に、田原パーティーが鳩ノ巣から、吉岡ファミリーが細倉橋からの入山を考えていたが、それぞれの事情でキャンセルとなった。
 集合した5パーティーは、予定通り日没頃から東肩の茶屋前で宴を張り、月明かりを浴びながら一部の者は真夜中頃まで話し込んでいた。焚火は、周囲に適当な枯れ枝が見つからず、今回は無しとなった。宴の最中夜の川乗山に登ってくる者は予想通りいなかった。翌21日、用事があるという小堀パーティーら6人は早朝5時過ぎ一足先に鳩ノ巣に向け下山、残りの者たちは朝食後の7時半頃あとを追った。(9)の小幡氏だが、彼は夜勤明けの21日朝7時18分古里駅にひとり降り立ち、赤杭尾根を一気に駆け上がって川乗山頂9時着、すでに下山中の集中パーティーを追いかけ、鳩ノ巣駅手前で菅原ファミリーに追いついて昼食を共にし、さらに駅下の食堂で風呂上がりの一杯をやっていた残りの者たちと合流した。その韋駄天ぶりに一同大いに敬服し、ジョッキを改めた次第である。尚、緊急連絡先は播磨さんが引きうけてくださった。ありがとうございました。
 こうして今年度の集中第一弾は終わったのだが、各パーティーの行動については以下の報告をお読みいただきたい。だがその前に、委員長としてはここでいささか苦言を呈しておかねばならない。
 この集中山行の募集を行なった7月17日のルーム概要(ホームページに掲載)に、私はこう記した。
「ところで、今日の集中山行の募集では、参加はするが自分がどこへ行きたいのか考えて来なかった人が結構いた。募集がはじまってからガイド本を調べだすような状態に、金子会長が思わず大声をはりあげたが、暑さで多少みんなのタガがゆるんで来たのかな? これまで順調にやってこられたからといって、甘く見るのは絶対禁物。沢をナメると飲み込まれちまうよ! みんな気ィ引き締めてくれや! 妖怪はココロの闇にひそんでおるのじゃよ、ケケケ!」
 確かに、このような山行計画のイロハを無視した行為はこれまでにもあった。だがそれはあくまでも一部の者に限られていた(そうであっても良い訳はないが)。だが今回は、そうした惰性的気分が大半の者に蔓延してしまっていたのである。そして残念ながらこの予感は的中してしまった。前述のように1パーティーが事故を起こし、しかもそれは当日になって予定ルートを変更した挙句のことであった。確かに当日は、この夏いちばんと思えるほど異様に暑い日で、皆バテ気味で体調を崩しがちではあった。なるほど、それもあったのかも知れない。だが、原因はそれだけに求められるものではなかったはずだ。事実この夏三峰では、さらに悪いことに、こののち3件の沢の事故が相次いだのである。いずれも大したことなく済んだのは不幸中の幸いであったと言うしかない。
 山は愉しい。行き慣れていても面白い。だがときどきは惰性で入山することの怖さを振り返る慎重さが欲しいと思う。

いやっ~、集中は良いねぇ~!

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