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御正体山
脇坂 真琴
山行日 2002年11月30日
メンバー (L)飯塚、福間、伊藤(め)、内山、脇坂、藤本、鈴木(渚)、野口(芳)、古野、小幡、他1名(内山友人)

 11月30日の御正体山の山行を終えてから、すぐにリーダーの陽子さんより岩つばめの原稿依頼のメールがあり、思いっきりゲホゲホむせて、飲んでたお茶を思わず吐き出しそうになるくらい驚いてしまった私ですが(だってあの大人数の中から自分が抜擢されるとは思ってなかったんですもの)、ここはひとつ陽子様に恥ずかしくないような原稿を、しかも記憶の新しいうちに書かせていただこう。そーだ!もう今週末にでも書いてしまおうではないか・・・と思っていたんだよなぁと、トホホな気持ちで書きはじめています(現在2月下旬)。記憶の糸を必死でたぐりよせてみるものの、浮かんでくるのは野口さんの着ていたショッキングピンクの上着と真っ赤な帽子ばかり(逆かも)。「こういう性格をなんとかしたいんだよね(絶対に治らない)!」と、自分に対する激しい怒りを押さえつつ、なんとか平常心で最後まで無事に書き終えてみたいと思います・・・。

 11月30日(日)朝、高尾駅に集合し河口湖行きの電車に乗る。大人数だということは聞いているけど、電車の中はザックを持った人がたくさんいて、新入りの私にはどの人が三峰の人だか分からない。隣で陽子さんが「あの人は乗ったか、この人は乗ったか、おっとメールだ、そういえばあの人は大丈夫か」と、とっても忙しそう。大人数のリーダーって、本当に大変ですね。ギリギリセーフで、心配していた福間さんとめぐみちゃんが無事に乗車して、発車した。良かった!なんとかみんな揃ったっぽいですねー、なんていう話をしていたら、「あっ、新入会員の鈴木さん乗ってるかな!?」とまたまた陽子さんの心配顔。「・・・乗ってるさ!どこかで会えるさ!」とラテン系な感じで落ち着き、しばらく電車に揺られ都留市駅に到着。で、やっぱり乗っていた鈴木さんを確認して安心する。これで全員集合だ。
 今度はバスに乗り換えるが、都留市駅で下車したほとんどの人が乗車したものだから結構な満員ぶり。みんな御正体山へ行くのかなぁ・・・そんなに人気者(?)の山なのか、と思いつつ乗っていたが、結局お目当てのバス停で下車したのは三峰の大パーティーだけだった。少し歩き、せっかくだからと三輪神社でお参りをすることにする。真剣にお祈りしますチームと、全く興味がありませんチームに別れて(内訳はご想像におまかせします)、緑の中の静かな神社で少々の時間を過ごす。いいものですね。
 その後、林道をしばらく歩く。天気が良く、歩き始めると朝の冷え込みがうそみたいに暖かい。参加メンバーは男女同比率だが何故かきれいに、前を行く女性チーム(元気)と後続の男性チーム(静か)にスパッと分かれているのが興味深い。うーん、そうなのか・・・、また一つ三峰について学んでしまったようだ。
 そんな調子で、みんなどんどん歩く。先頭を歩く、頼れるお姉さまコンビの陽子さんと福間さん、お揃いのセーターに身を包んだ伸子ちゃん(青)とめぐみちゃん(黄色)、ピンクの上着と真っ赤な帽子を脱ぐと別人のようにシンプルな装いだった内山さんのお友達、「一体何が?」というくらい重そうなザックを背負っている小幡さん・・・。そんな濃いメンバーの中(失礼?)、穏やかオーラを放ち黙々と歩を進める内山さん・・・。とにもかくにもこれでもかっ!というくらいの個性的なメンバー編成の大パーティーで頂上を目指す。2時間と少し位歩いて、富士山が真正面から見える地点に到着した。今年は冬が一ヶ月早く来たような気候だったためか、思ったより真っ白な富士山だった。さすが富士山に一番近い山(合ってます?)、眺めは最高だった。なんだかもう山頂に到着したような気分になってしまったが、あと数十分歩いた所に本当の頂上がある。こちらの方の見晴らしはいまいちだった。山頂で、次から次へと支給される食物達を消費しつつ、ぽかぽか陽気の中でゆっくりした時間を過ごした。
 下りも落ち葉をカサカサさせながら、気持ちよく歩く。途中ぬかるんでいたりして、転ばないように気をつけながら、小走り気味に下っていくと「あれ!?もうおしまい?」という感じで、あっという間に下山してしまった。しかし、ここからが本当の闘いになるとはその時は誰も知らなかった・・・。 車道に出て、最後尾を歩いていると、何故かみんな急いでいる。先頭の陽子さんも走っている。「走った方がいいみたいだね」と、一緒に歩いていた伸子ちゃんとめぐみちゃんと走り始めた。陽子さんに事情を聞くと、どうやらバスの時間の関係らしい。そういうことか、ならば走るしかあるまい!そうして全員が走り、ザックをかついで必死の形相で走る大人たちの集団と化した。走って走って、まだか、バス停は!もうそろそろいいんでないの?と思い始めた頃、やっとバス停発見!!みんな爽やかな顔で次々とゴールインした。顔は真っ赤で頭から湯気が出ている。でも、山に囲まれて走るのもなかなか良いと、意外にこのザック付マラソン大会は好評だったようだ。やはり、山屋さんは精神的にストイックな人が多いのでしょうかね。
 そうして無事バスに乗車し、駅に到着するまでの間に「すずめのお宿」があることを誰かが目敏く発見しており、そこで一足早い忘年会を行なうこととする。
 お店の前に着くとまだ開店前だったが、無愛想だけど本当は優しそうなマスターが店を開けてくれた。口々に料理を注文するも、マスターは「・・・仕込中」の連発。明らかに、こんな時間にザックかついだ集団客が来たことに戸惑っていた(というか怒ってた?)。「でも、うちの鍋は旨いよ」と、少し誇らしそうな顔で言うので、タレが自慢らしいその鍋や、その他の仕込みの必要がないものを気を使いながら注文する。そして、口々にうまい!おいしい!幸せ!こんなに美味しいものがあるとはね!くらいの勢いで、力一杯褒めちぎった。マスターちょっとうれしそう。良かった。
 そんな感じでお腹も一杯になり、ほどよく酔い、幸せな気分で帰途についた。バラエティー豊かな顔ぶれ、素晴らしい景色、美味しい食べ物、(いい味出してるマスター)、あらゆる要素に恵まれたとっても良い山行だった。リーダーの陽子さんをはじめ、みなさん本当にお疲れ様でした。

ポカポカ陽気でルンルンハイキング

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