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富士山・雪訓
服部 寛之
山行日 2002年12月14日~15日
メンバー (L)服部、紺野、越前屋、鈴木(渚)、脇坂、山口、古野、佐藤(明)、松尾、小幡、金澤、中館、天内、高橋(俊)、荻原、他1名

 恒例の正月合宿前の雪訓だが、うれしいことに今回は総勢16名と久々の大人数であった。二日間とも天気が良く、14日はビーコンの練習を主体に行ない、15日は雪訓組と登頂組とに分かれて行動した。

14日
 朝JR八王子駅南口に集合し、クルマ3台に分乗して行く。7時半出発の予定がいろいろあって8時半になってしまった。スバルラインは前日まで解氷作業が続いていてどこまで開通しているか心配だったが、全線開通していてホッとする。追加参加の明氏はひとり自宅から追いかけてきたが、五合目駐車場で無事合流。
 今年は雪が早かったので富士山の雪もバッチリだろうと期待していたのだが、当てが外れた。スバルライン周辺では実際例年以上の積雪が見られたものの、その終点から佐藤小屋付近にかけての五合目にはなぜか雪が少ない。土産物屋前から登山道に入って樹林帯を抜けた最初の斜面にはそこそこ雪がついているが、うちらがいつも雪訓をやっている斜面は殆んどまっ黒でところどころに浅い雪溜りがある程度。神様も雪を降らせるときは雪訓パーティーのことも考えてもっと均等に、できれば五合目には適度に厚く、降らせてもらいたいものだとつくづく思う。遠目にもその方が美しい。よろしくお願いしやっすよぉ。
 五合目にテント設営後、まずはビーコンの練習を行なう。初めてビーコンに触る人も何人かいて、機能や装着法など基本事項の説明のあと、グループによる発信・受信テストをかねて全員に電波到達範囲を実際に歩いてその距離を体感してもらう。その後、3班に分かれて捜索の練習。1台だけでなく複数台埋まっている場合も想定して練習してもらう。今回金澤氏と明氏は自前のデジタル式ビーコンを持っての参加だが、二人とも購入後初めての練習のようで操作具合を入念にチェックしていた。ビーコンは最近は機種も増え値段も下がってきているが、携帯電話やハム無線機の多機能小型化を見ていると、もっと手頃な値段と大きさにならないかなあと願わずにいられない。みんなには5分以内に見つけられるようになるまで練習するよう指示を出しておいたのだが、班によっては早めに切り上げてコンティニュアスの練習を行なっていたところもあった。また吹き溜りの雪に人を埋めてゾンデでつっついて楽しんでいる、じゃなかった感触を確かめている人たちもいた。太陽が廻って陽が陰るとさすがに寒くなり、3時過ぎには切り上げてテントに入った。

15日
 今回の雪訓では当初から、ベテランで足慣らしを希望する者には二日目に頂上まで往復してもらう予定でいた。メンバーは(L)松尾、小幡、金澤、中館、天内、高橋(俊)、荻原、福田(松尾友人)の8名。彼らは前夜の打ち合わせ通り早起きして4時15分に出発して行った。以下は12月18日のルームでの金澤氏の報告の要約。
「佐藤小屋のところから上がってゆく。7:00、3000mの標識のところで日の出を迎える。風は強くなく、歩きやすい。八合目で天内と荻原の二人が引き返す。九合目までくると風が少し強くなる。9:30、山頂着。アイスバーンはなかったが、登り甲斐があった。下りは、登山道の右側の斜面をまっすぐ下りる。滑り台のような斜面なのに松尾リーダーはガンガン行ってしまう。お陰で1時間半で下りてしまった。快晴で眺めがよく、思ったより人が登ってきていた。六合目付近で雪訓をしている人たちも多かった。」
 雪訓組のテントは6時半頃起床、8時過ぎ雪訓場所に向かう。メンバーは残りの服部、紺野、越前屋、鈴木(渚)、脇坂、山口、古野、佐藤(明)の8名。五合目のトラバース道を雪がついているスバルライン寄りの斜面まで行ってみると、すでにかなりの人数の雪訓パーティーで賑わっている。雪訓のできる斜面が今年はごく限られているのでどうしてもパーティーが集中してしまうようだ。そこでうちらはさらに100mほど上方の雪溜りまで登り、そこで行なうことにする。まずは歩行練習。雪はちょうど良い締まり具合。続く滑落停止の練習はザイルで確保しながら行なう。なにせ滑ったらすぐ下の雪のないガレ斜面までころがってしまうような中途半端な場所なのだ。しかし他にできそうな斜面が見当らないので仕方ない。しばらく練習すると、皆そこそこ形を取れるようになった。最後にフィックス・ロープを張ってプルージック登攀の練習をした。
 12時過ぎに切り上げてテントに戻ると、登頂組はすでに帰幕していた。撤収後、河口湖駅前で風呂とメシを済ませ、JR八王子駅に戻って解散。お疲れさまでした。

今日はしっかり勉強するように

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