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黒姫山
内山 弥生

山行日 2003年6月21日~22日
メンバー (L)小堀、小堀(と)、野口、西尾、伊藤(め)、内山、(河村)

 梅雨の晴れ間、花いっぱい、虫もいっぱいの黒姫山「メルヘン山行」だった。蚊取り線香が活躍してくれた。(虫さん、ごめんなさい。)
 土曜日の朝、東所沢駅集合。小堀さんと野口さんの車で出発。野口さんはひげ面に甚平姿で登場。う~ん、私と同じトシだとは、とても思えん。(どういう意味かな。)
 長野から戸隠バードラインを行こう、という話もあったが、どうも違う道に入ってしまったようだ。途中で位置を確認し(そう、迷ったと思ったらまず位置を確認するのが、山の基本、ですよね、リーダー?)さてこれから北上するのだと思ったら、先頭の野口車は西へ西へとすすむ。コンパス、いえ、野口車ご自慢のおしゃべりするGPS、おかしいのかな?と言っていたら、向かっているのはなんとはるか遠くの、鬼無里。目的はおやきで知られる「いろは堂」。牛にひかれて善光寺、おやきにひかれて鬼無里参り。食べ物にひかれて遠回りするのがなんとも三峰。そば粉の皮の信州おやき、とてもおいしかった。何人かはおみやげに買い込む。
キャンプ場で  さて、この夜はなんと戸隠キャンプ場に泊まる。いつも駐車場でテント張るのに。水道もトイレもあるひろびろとした草地のキャンプ場で、野口車からでてきた炭火のコンロ(?)を使い、こぼさんシェフ特製のスープとサラダから始まるフルコースをワインとともに味わう、という、なんとも優雅な前夜泊だった。バックグラウンドミュージックはユーミン。なにか三峰らしくない不思議な世界。小川の向う側では、家族連れが花火を楽しんでいる。食卓もにぎやか。虫さんもいろいろにぎやか。朝は鳥もにぎやか。鳥は西尾さんの解説つき。
 長野県の最北、新潟との県境に近い、標高1,100メートルの高原。テントにフライシートをつかわなかったので、夜はちょっと寒いくらいだった。
 翌朝ははやく起き、当然ながらゴミもきちんとかたづけて6時すぎに出発。うれしい梅雨の晴れ間。大橋林道は通らずに古池から新道を行き、山頂からカルデラ側の峰ノ大池へ降り、西登山道で尾根をぐるっとまわって新道分岐にもどり、また古池の横を降りる周回コースをとる。
 先頭に小堀さん、野口さん、西尾さんの三人が行き、次にめぐちゃんと、毛無山以来ひさしぶりに登場の入会希望、河村さんが楽しそうに、絶え間なくさえずりながら進み、最後に小堀さんの奥様、としえさんと私がゆっくりついていくという展開。今回はひとりじゃなくって、ゆっくり仲間がいて、うれしい。
 林道を行かずに種池、古池をとおる道を選んだのは正解。湿原に花も多く、変化があって楽しい道だった。新道分岐からいよいよ本格的な登り。ネマガリタケが多くなる。採ってそのまま食べられるのをはじめて知った。かじりながら歩く。見た目よりずっとやわらかい。でも、そのあとの看板で知ったのだけれど、ここのネマガリタケは採取禁止。皆さん、気をつけましょう、ね。
イワカガミかな?  かなりの急登をがんばって登るとなだらかな、しらたま平にでる。途中、イワカガミなど、花が多いのがうれしい。ぎざぎざの戸隠山ほか、北信の山々が見渡せる。この例会にこぼさんがつけたキャッチフレーズがメルヘン山行。でもメルヘンであろうとなかろうと、岩場のない山は気が楽でいいなぁ。(三峰らしくない発言。)初めの予定どおり戸隠山だったら、きっと参加できなかったと思う。あのぎざぎざ。見るだけで、コワイ。
 標高2,053mの黒姫山頂でのんびり食事のあと、来た道を少しもどって小黒姫山側、峰ノ大池の方へ降りる。これまでの「いい道」とはうってかわって、山らしくなる。雪が残っている。このあたりは最後のゆっくりグループに河村さんが加わって、三人になる。
 山の上、笹原と山桜の中の大池は命をはぐくむ池。サンショウウオの卵(だと聞いた)がたくさんふわふわただよう。そして何かの境界線上にあるような世界。月に雲のかかる夜に、魑魅魍魎が跋扈してもおかしくないような。風の強い、荒れた夜は、空と水の間をなにかが行き来するような。と、思いつつも、デジタルカメラなどを取り出して写真をとる現代人なのだけれど。黒姫に恋をした志賀・大沼の竜神の伝説はあとで知った。
 さて、これからが山本番。こういう(ときどきだけど)手を使うような道になると三峰の人たちは元気だ。雪の残る道を、こちらはひたすらいっしょうけんめいついて行く。でも、けっこう楽しいんだな、これが。
 西登山道は尾根をぐるっと回り込むので、かなり距離が長くなり、時間がかかる。でも、最後まで花の多い湿原があったりして楽しめる道だ。
 途中で大きな大きなクマバチ。めぐちゃんは「こういうときって動かない方がいいんですよね」ってにっこり平然。最後まで虫いっぱいのメルヘンだった。
 降りてきたのはすでに3時すぎ。予定より遅くなったにもかかわらず、「戸隠神告げ温泉」に入り、「おいしい」といわれるお蕎麦やさんがもう終わりだったので、さらに美味をもとめて何軒か探し歩く。やっぱり三峰はグルメ集団だ。
 帰りはかなり夜遅くなった。疲れているところで運転してくださった方々に感謝です。
 ところで、ひさしぶりに登場の河村さん。山はしばらく行っていなかった、とのことだが、タフですね。その後ヒザをいためているとのこと。治ったらまたぜひ。なにしろ「おやきにひかれて鬼無里」を言い出したのはおやき大好き、の河村さんだったそうで。温泉好き、グルメ、山が大好き、って、三峰の多数派と、似ていませんか?

池をのぞく黒姫山山頂

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