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救助訓練・西丹沢マスキ嵐沢
小堀 憲夫
山行日 2003年6月7日~8日
メンバー (L)小堀、金子、福間、藤井、越前屋、天内、高橋(俊)、中沢、菅谷、橋岡
(土曜のみ)紺野、大岩、渡部
(土曜夜から)服部、小幡、西尾

 今年の救助訓練は、シミュレーション形式を採り、沢登りの途中で故障者が出たとの想定で、初日は沢を下降、2日目は登山道を下降する搬出訓練を実施した。
 土曜朝、小田急線新松田駅に8時半に集合。13名全員がきっちり定刻に集合した。車3台に分乗し、西丹沢箒沢大滝橋横に車を停め入山した。ベース予定地の一軒屋避難小屋まで1時間程の登り道でウォームアップ。避難小屋は人が居て迷惑がかかりそうだったので近くの河原にテントを3張設営した。
 身支度を済ませ少し下りマスキ嵐沢へ入渓。快適に沢をつめ、当初は最後の滝まで行く予定だったが下降に必要な時間を考え、昼ころ遡行を打ち切り救助訓練を開始した。
 3パーティーに別れ、第1パーティーは担ぎ隊、第2パーティーはサポート隊、第3パーティーはルート工作隊とし、交代で搬出訓練に当ることにした。まず、最初の犠牲者は一番体重の軽そうな菅谷氏。ザイルで背負子を作り下降開始。上からサポート隊が二手からザイルで確保する。工作隊は先行し困難な箇所にフィックスロープをセットする。この繰り返しで全員がそれぞれの役割を経験し、入渓点まで戻った時には5時近くになっていた。たった1人でも故障者を搬出するのがいかに大変なことか皆よく分かったと思う。
 ベースに戻り焚き火が始まると程なく後発パーティーが到着した。今回は先発の越前屋氏と後発の西尾氏の無線機による連絡も訓練メニューとして実施した為、そのへんの連絡もスムーズだった。
 翌朝は、沢パーティーは鬼石沢から、登山道パーティーは登山道を、それぞれ畦ヶ丸を目指した。昼前に沢パーティーが登山道に辿り着くと、ちょうどそこに登山道隊が通りかかった。2パーティーが合流し、頂上下の避難小屋まで登り搬出訓練の準備を始めた。今度は誰を犠牲者にしようか考えていると、ひょんなことから福間さんの肩が抜けた。うまく戻らず辛そうなので、服部氏と西尾氏が付き添い先に下山して病院へ向うことにした。
 福間さんのことが気にかかるが、救助訓練続行である。空のザックを3連結して、やはり最初は菅谷氏である。登山道が狭いので6人で運ぶほうは少し大変なのだが、菅谷氏はと見ればすやすや寝始めた。と言うのはウソだが、この3連結ザックの簡易担架、皆交代で寝てみたがほんとうに快適だった。やがて西尾氏から、下山中福間さんが復活したとの連絡が入り、途中で待っていた3人と再び合流。無事救助訓練を終了し、途中、中川温泉の公営浴場で汗を流し、中華のファミレスに寄り食事をして帰った。
 三峰としては久々のシミュレーショントレーニングだった。事前の準備が慌しかったわりには、スムーズに運んだ。参加者はそれなりには勉強になったのではないかと思う。今後も、色々な状況を設定し救助訓練を実施したいと思う。


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