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御神楽岳
高木 敦子

山行日 2003年10月18日~19日
メンバー (L)高木(敦)、鈴木(章)、山沢、成田、紺野

 秋の紅葉と大岩壁を眺めながらの岩稜歩き。絶景とスリル満点でルンルンと行くはずだったが・・・。

 土曜の朝東所沢を出発、渋滞を避けて常磐道に変更して磐越道に入り軽快に飛ばす。天気は久しぶりの快晴に皆ご機嫌である。会津若松を越えたあたりから周りに他の車はなく、車中は賑やかそのもの。そこへ後ろから赤ランプが。そうです、パトカーが手招きをしているではあ~りませんか。かくして紺ちゃんは御用となってしまいましたとさ。(免停は勘弁してもらったそうです、ハハッ)
 気を取り直してお昼を食べ、途中の酒屋で酒を買い込み、ついでに現地情報(まつたけが採れるらしい)とお菓子(名前忘れちゃった、でも旨いど)を仕入れ登山口を目指す。御神楽岳は今回とは反対側の福島県からのコースもあり、?林の中できのこを採った記憶からこちらも採れるだろうと密かに狙っていたのだが。
 登山口には結構車が駐車しており、厳しいコースのわりには人気の程が窺える。身支度をして歩きだすが、Lは早くもキノコ眼になり回りをキョロキョロ、少し?が細いぞ、倒木が無いぞと列の後ろを歩いていた。
 きょうはテン場まで1時間の距離、途中3ヶ所ほど沢の渡渉があり滑りやすいので注意、とガイドには書いてある。まさにその場所で今回の不幸男紺ちゃんはやってしまったのデス。泣き面に蜂のごとく滑ってしまって前歯を3本・・ううっ掛ける言葉もありません。Lの頭に中止の一文字が、そこにすかさずアッコさんのアドバイスが飛びとりあえずテン場に到着。紺ちゃんは山沢さんから痛み止めの薬をもらい、焚き火で宴会に突入してその日は暮れた。
 次の日も晴れ。テン場からでも御神楽の岩壁が圧倒的な迫力の中、登山道を歩き出す。樹林の道はすぐに急登になり鎖場も出てくる。天気は良いが朝の為岩場は濡れている。慎重に登るも急なのでぐんぐん高度を稼ぐ。両脇は切れており高度恐怖症の人には辛いだろう。大岩壁を見ると遠近感が曖昧になりどこに道があるのかと心配になるが、細い稜線をうまく繋げている。わずかな空間に赤松の木がありまつたけの期待もあるが、見つける余裕は皆には無い。ひたすら岩にへばり付くように登って行く。一箇所距離は5mくらいだが両脇がスパーンと切れている所があり、さすがに跨いでしまった。記念写真を撮るも顔が少し引き攣っているように見えるのは気のせい?
 栄太郎新道から高頭(たかつむり)・湯沢の頭を越え雨乞峰までスリルと緊張の連続である。何人か降りてくる登山者もいて結構年配なので驚く。コースタイムが長いので、御神楽岳を越え避難小屋に泊まり往復するらしい。雨乞峰からは室谷からの登山道が3年前に開かれて誰でも登れるようになったが、それまでは今回のコースか福島県側からの一泊コースが普通であり、足の弱い人にはかなり厳しい山なので新しい道が出来たのだろう。もっとも登りやすい道らしいが樹林の中なので展望が無く、少しつまらないと聞く。
 御神楽岳の頂上では展望は抜群、天気も申し分なく景色をゆっくり堪能した。飯豊・吾妻・河内・那須の山々、夏の天候不順で色がイマイチながらも紅葉した木々。岩壁と紅葉、何時見てもいいですねえ。時の経つのも忘れます。が、忘れてはいけません。来たあの岩稜帯をまた戻るのです。山沢さん、ファイト!
 帰りはおっかなびっくりだけど結構早い。皆ベテラン揃いなので問題無し。途中で紺ちゃんがいきなり先頭で突っ走り、気がついたら道を間違えて何時の間にか後ろにいたのはご愛嬌。
 今回のコースは前から一度挑戦してみたかった所だっただけにとても満足できた山行でした。ただ一つを除いて。紺ちゃんの件はさすがに普段おちゃらけているLも気の毒で何も言えませんでした。不幸は突然やってくる。皆様気をつけましょうね。
 そうそう、キノコですが今年は不作のようで行きはダメだったが帰りはクリタケを発見、皆のお土産になりました。来年はもっと採れそうな所に行くゾ~。


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