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谷川岳縦走
古野 勇二

山行日 2003年10月12日~13日
メンバー (L)飯塚、土肥、山北、古野

 今日は、紅葉の谷川岳に行けると期待を抱きつつ、眠い中、早朝の上野発の各駅電車に乗る。高崎で水上行きの電車に乗り換えるが、みんな同じ考えなのか、電車はいっぱいで水上まで立ったままだった。土合駅で下車するが、山ヤ、家族連れ等々多くの人があの長い階段を上っていく。
 長い行列が出来ているロープウェイ乗場を過ぎて、しばらくすると西黒尾根の分岐である。いきなり急登である。麓の木々は、まだ緑のままで、しかも天気が良いため、10分も登ると、汗がしたたり落ちてくる。急登また急登のあと、ラクダのコブに出る。すばらしい紅葉である。天神平あたりの紅葉もすばらしいが、目の前のカエデの赤い色からトマの耳あたりにかけての木々が赤く燃えている。この紅葉をバックに記念写真ということになり、疲れた顔が笑顔に変わる。一息入れたあと、更に急登である。もうトマの耳が見えているのでカツを入れるが、なかなか着かない。やっと、肩の小屋に着いたら、天気も下り坂で、すごい風である。寒くなってきたので、小屋にて休憩。小屋は、最近新しくなったらしく、快適そうだった。でも、今日は、予約だけでも40名ほど宿泊するらしい。たぶん、満員だろう。小屋からは、時間もない為に、急いで尾根を下っていく。風が強いため、雲がかかったと思ったら、すぐ流されていく。稜線は、紅葉を見ながらの快適ルートである。左は、緑と黄色のジュウタンであり、右は、紅色をはじめ、色々の紅葉である。急いでいながらも、雲の切れ間に立ち止まり、デジタルカメラで写真をとってしまう。
とっても縦走らしい絶妙な縦走路  小障子ノ頭を過ぎて、避難小屋に着いたが、小屋は人でいっぱいである。小屋の隣にテントを張ったが、風があまりにも強く、テントとともに吹き飛ばされそうである。小屋に泊まっている人が、この下の水場の近くにわずかながら、テントが張れるスペースがあり、そちらの方が風が弱いと教えてくれた。薄暗くなってきて、やっとテントを張れたと思ったら、細かい雨が降ってきた。
 次の日は、朝から小雨だった。せっかくの紅葉も見えなくて、ただひたすら歩くだけ。
 万太郎、エビス大黒ノ頭と大きなアップダウンと小さなアップダウンを繰り返し、やっと仙ノ倉山に到着。頂上に着く頃には、雨もやみ、時々、雲の切れ間に青空が見えてきた。
 仙ノ倉山は、谷川連峰の最高峰である。雲は、麓のほうに厚く残っているが、晴れ間には、遠くの峰々が望まれる。 仙ノ倉山から平標山までは、天気も回復し、快適な木道歩きである。平標山の山頂は、登山客で賑わっていた。平標山の山頂での休憩もそこそこに、下山を開始、バスの時間が気になっていたが、松手山付近の紅葉が素晴らしく、またまた、紅葉を楽しみながらの下山となった。紅葉の楽しみも終わり、樹林帯の中をひたすら下りる。疲れ気味になったころに、元橋に着く。バス停まで歩く途中、誰かが管理事務所で酒を売っていることを発見、ビールも売っていたので、バスが来るまでの間、やっと色づき始めた麓の山々を見ながら、小学校の芝生の庭にて小宴会を行い、今日の疲れを癒す。
 谷川岳連峰を縦走する二日間の山行は、一部天気に恵まれなかったが、紅葉を充分に満喫した山行だった。以前、平標山に来たときに、あるおじさんが、初夏のころは、お花畑になってすばらしいとの話をしていたが、紅葉の時期もすばらしい山々である。帰りの各駅停車の電車では、偶然にも花火大会に遭遇し、思いがけない花火の見学となり、心地よい疲れを癒しながらの帰路となった。


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