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牛ノ寝通り
福間 孝子

山行日 2003年10月19日
メンバー (L)福間、小幡、藤本、小堀、天内、川崎、渡部、荻原、荻原子息2名

 塩山駅よりタクシーで上日川峠まで入る。紅葉シーズンとあってか沢山の人、車、バイク、チャリンコでごったがえしている。
 ここより石丸峠へとむかう。二度道路を横切らなければならないのには少し幻滅するけれど、唐松林の中をグングンと高度をかせぐ。
 トップはゼンマイ仕掛けのように走る荻原ジュニア達だ。走ってたかと思うと急にしゃがみこんで虫を眺めたりと子供から見る山の世界は楽しさと驚きに満ちているらしい。
 一時間程歩いて急登を登りきったら、いきなり紅葉の山と青い空と富士山と大菩薩湖が現れる。誰しもがワーッと声をあげてしまう。素直にきれい、すごい、と思える景色だ。ここからササの原のなかをトラバースしながら石丸峠へと向かう。天気といい、景色といい、爽快そのもの。皆がそれぞれヤッホーヤッホーと雄たけびをあげ、こだまが返るたびに大人も子供も大喜び。石丸峠は数パーティーが休憩していて、われ等ヤッホー部隊をほほえましく、ちょっと迷惑気味に待ち受けていた。
 峠から小金沢連嶺のほうへ5分ほど向かうと牛の寝への分岐があり、ここから樹林のなかをどんどん下っていく。真っ赤に色づいたカエデやツツジの葉が美しい。榧ノ尾まではキノコ採りをしたりしながら歩く。休憩中小幡氏がいなくなったと思ったら、なにやら小枝に白い大きなかたまりをもって現れた。ナナナントでっかいヤマブシタケをゲットしてきたのだ。本人はこの正体不明の物体が毒でもあったら大変と木の枝に刺して落とさないように持ってきたのだ。ひとしきり皆で写真を撮ったり触ったりした後なぜか私のザックにおさまった。
 ちょっと遊び過ぎていよいよ帰りのバスの時間が気にかかりだしたので急ぎ足でショナメまで向かう。ショナメは古びた木のプレートが脇にかけてあるだけで、気をつけていなければ通り過ごしてしまいそうなところにある。ここから左へ今の地図から消されてしまったルートに入る。ほとんど道があった形跡はなく、所々にくすんでしまった赤いペンキの跡があるくらいである。フカフカといおうかグズグズの土を谷状の地形に沿って下っていく。山葵の葉がちらほらと出ているところをみると以前はこのあたりまで山葵田であったようだ。暗い杉林を抜け少し藪をこぐと30分程で仕事道に出た。左へ道をとり山肌をしばらく捲くように行くとようやく下りになり丸木橋へ出て対岸を少し登ると車道へと出た。
 小菅のバス停は思ったより近く、バス停で飲むビールは何倍もおいしく思えた。

〈コースタイム〉
上日川峠(9:50) → 石丸峠(11:30) → 榧ノ尾 → ショナメ → 丸木橋 → 小菅バス停(15:20)


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