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吾妻高山下り・敗退スキー
さとう あきら

山行日 2004年2月7日~8日
メンバー (L)佐藤、福間、三澤、山口、高木(敦)、田中(恵)

 たまには有人山小屋利用のスキー山行もリッチでいいか、ということで、吾妻小舎泊りで土湯温泉に下ってみようと例会を計画した。
 土曜日朝8時半、福島西インター出口の駐車場へタクシーに来てもらう。今回は入山地と下山地がかなり離れているため、うまく下れればその中間地点であるこの無料駐車場に自分の車を置くのが好都合と判断した。もっとも土湯温泉には2日間も置ける外来者用の駐車場がないための苦肉の策でもある。
 出発地の吾妻スキー場に着いてみると、この数日間の降雪で最上部のリフトは稼動予定が立たないとの事。また吾妻小舎の管理人からの伝言もあり、「昨日小舎の途中まで車道上をラッセルしたが行き着かなかった。今日も試みるが、無理はしないで欲しい」との事。我々も無事行き着けるか心配ではあるが、まあ何とかなるか。
 10時半、小雪の中を歩き出すも直ぐに先行パーティーに追いつき、ラッセルは我々の順番となる。ふかふかの雪で、スキーをはいた状態でも膝上まで雪に潜る。こまめに先頭を交代しながら進むが、まさに蝸牛の歩み状況で全く歯が立たない。結局12時半、撤退を決定する。戻ったスキー場から吾妻小舎の管理人宅に予約キャンセルを詫びる電話を入れると、実は彼らも途中で引き返したとの事。無理に行って小舎の軒先ビバークにならず、ああ良かった。
 さあ次は今宵の宿探しだ。三澤さんのお勧めで、横向温泉の自炊宿に決定する。長年の雪の重みで水平を保てなくなった床や梁を見ると「傾き温泉」と呼称するほうがふさわしいような建物ではあるが、そのぬるくかけ流しの湯は、何とも柔らかい。
 一方福間嬢は早速同宿の男性グループに声をかけ、我々の部屋に連れてくる。しかもタバコばかりではなく、お酒の差し入れもせしめるところなどさすがに手馴れたものだ。とても楽しい人達で深夜まで話が弾んだ反面、高木、福間両嬢は翌日激しい二日酔いに苦しむ事になった。
 日曜日は箕輪スキー場Cリフト頂上から横向温泉スキー場に下る、往年の短ツアーコースに出かける。連日の降雪のおかげで、急斜面では胸まで潜るパウダースキーだ。しかも先行トレースは皆無である。あまりにおいしい斜面なため2度も滑り、帰途に就いた。

柔雪のラッセルでのひとコマ

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