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丹沢・葛葉川本谷
野口 芳裕
山行日 2004年7月4日
メンバー (L)野口、川崎、田中(恵)、小幡、天内、柴田、小堀、三澤、室橋、福間、高橋(俊)、中沢(佳)、平

 ルームの後の宴会で「三峰は夏になると沢登りが多いし、興味もあるので参加したいけど初心者には厳しいルートが多い。沢登り入門教室も開催されるものの、その後の初心者向けの例会がないので・・・」というような声をよく耳にする。つまり、入門編の後のフォローがないから沢登り人口が増えず、メンバーが固定するのであろう。
 今年は、企画担当者を各領域(沢登り、岩登り、冬山、山スキー)に分け、各領域ごとに年間スケジュールを立てることになった。沢登りは高橋氏が担当で企画を立てたが、私は仕事の都合で大きな山行がままならず、それでは何回か初心者向けの沢を企画します、ということで、企画山行の第1回目をこの葛葉川本谷にした。
 募集をしてみたところ、沢未経験者2名を含む多くの参加者を得、最終的には13名という大部隊となった。

7月4日
 7:30 小田急線秦野駅に集合。総勢13名という不吉な数の三峰隊は三澤号、高橋号、野口号に分乗して葛葉川に向かう。桜沢橋の駐車場にて沢支度を済ませ、パーティを4つに分け入渓。(8時過)
 パーティは、以下の構成。平さんと室橋さんは沢デビュー戦。
 (L)野口、川崎、田中(恵)
 (L)小幡、天内、柴田
 (L)小堀、三澤、室橋
 (L)福間、高橋(俊)、中沢(佳)、平
 さて、入渓したものの、丹沢では大人気の沢なのに他に入渓者もおらず、なんかパットしない渓相だ。おまけに堰堤が次々に現れる。なんか変だなー、前来た時堰堤なんかあったかしらん、確か桜沢橋から入渓したはずだけど、と30年も前の記憶を辿りながら、半信半疑で堰堤を越えていく。堰堤を越える時、初心者には少し悪い所もあってザイルを出したパーティもあったようだ。
 小一時間も登ると葛葉の泉に到着。駐車場もあり、キャンパーもいてとてもにぎわっている。三峰以外の沢パーティは皆ここから入渓していく。本当の入渓点はここだったのだ! 皆も、おかしいなと思いながらも後続していたようで、結論としては、(1)昔は入渓は間違いなく桜沢橋であった(やはり30年ほど前に登った小堀氏、三澤氏談) (2)堰堤はその後に作ったんだろうと笑い飛ばすことにした。皆さん、すんません、ガイドブック全く読まずに先導してました(汗)。
 いよいよ、本当の入渓点からの遡行を開始する。これまでと打って変って藪もなく快適な小滝を越えて行く。F1でザイルを出している先行パーティに追いつく。ルートは左壁から取り付き、落ち口へ向かって右にトラバースするのだが、水量が多くかなり水を浴びそうで、なんかいやだなーと福間さんに上からザイルを垂らしてもらうが、登ってみると意外にホールド・スタンスとも豊富で楽しい。ここで一度順番待ちで集まったがその後は各パーティに分かれて遡行を続ける。我パーティは、沢2度目の川崎さんが快調なピッチで飛ばし、田中さんも危なげなく付いて行く。板立ノ滝は先行パーティが取り付いて時間がかかりそうなので巻いてしまう。やがて林道が横切る所で後続を待つが全然現れないので、順番待ちか大休憩してるのだろうと出発する。その後も問題になるようなところもなく楽しく遡行する。三俣を過ぎF9を越えると左から入口にしっかりした赤布が付いている枝沢が合流する。遡行図では本流を詰めるようだが見ていると他のパーティは殆ど枝沢に入っていくので、ここで皆を待つことにし、大休憩となる。再度全員集まってワイワイガヤガヤと柴田さん持参の大量の煮物に舌鼓を打ったり○○○を飲んだりして暫し歓談。多分遡行図のルートは上部で崩壊が進み、最近は左に行くんだろうと判断して左の枝沢に入ったが、これが大正解で直ぐに小尾根に出、舗装道路のような踏み跡が続いている。急な尾根をゼイゼイと登るとやがて三ノ塔尾根に出て沢装束を解く。暫し休んだ後、三ノ塔、ニノ塔を経てニノ塔尾根を下り、桜橋に着いた。その後、いろは食堂で乾杯して解散。

 今回は沢未経験者もおり、また13名という大人数にもかかわらず無事に終えることができました。各パーティのリーダーを務めて頂いた小堀氏、福間氏、小幡氏、また、車を出して頂いた三澤氏、高橋氏、ありがとうございました。


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