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遠見尾根一ノ背髪北尾根・山スキー
さとう あきら

山行日 2004年2月21日~22日
メンバー (L)佐藤、三澤

 一ノ背髪は、五竜遠見スキー場の上にある地蔵の頭から小遠見山に続く尾根上の小さなコブである。スキー場のトップから30分強の登りで到着というお手軽さに加え、ここから平川に下る北尾根は快適な傾斜が続くことから、最近はスノーボーダーの滑降のほうが多いようだ。
 朝に東京を出発したこともあり、出発地の白馬47スキー場への到着はお昼頃になってしまった。リフトで登った最上部からはしっかり踏まれた先行トレースに導かれ、一ノ背髪のピーク到着午後1時半。早速シールを外し、八方尾根を正面に支尾根に滑り出す。右側には雪庇が張り出しているが、視界が効くため不安はない。

 幅約20メートルの尾根上は樹木がなく、既設のスキーコースのような開放感だ。しかし昨日からの暖かさで雪は重く、今回の滑降は快適とは言いがたい。先行する山板の三澤さんはウエーデルンでどんどん下るが、ヘナチョコテレマーカーのこちらはさっぱり曲がらず、待ってちょうだいの連発となる。
ルートは五竜岳が正面  それでも中間部となる1770mの小ピークを越えてからは、尾根上ばかりではなく左側の樹林帯も使って大きく回転することが出来るようになり、多少なりとも楽しめるようになる。おおむね尾根上を滑り、2時20分に平川に降り立つ。ここに対岸から八方沢が流入しているが、そちらからの雪崩のデブリの規模には驚くばかりだ。
 小山のようなデブリを乗り越え、対岸の林道に登らなければならないのだが、今日の滑降中も何度か雪崩の音を聞いていたため、どうも不安である。まず三澤さんに先に行ってもらい、私は高い場所で見張りを、そして安全地帯到着を確認しこちらも歩き出す。ゴロゴロした雪塊の上を進行する訳だが、長いスキーだと小回りが効かず、後ろに滑ったりしてなかなか進めない。一方ツボ足だと、雪塊のすき間に落っこちたりして、やはり難儀してしまう。
 それでも何とか到達し平川左岸林道を歩き出すと、こちらこそが今回のルートの核心部だということを悟った。約1kmに渡り左の八方尾根側からのデブリで埋まっているのである。要所にはスノーシェッドが設けられてはいるが出入口もデブリで埋まっており、その内部への出入りもままならない。しかも時々小規模のスノーシャワーが襲ってくるため、相手が行動中の際の見張りは、相手の頭上ばかりではなく自分の頭上にも注意を払わなければならない。この林道の通過にとんだ時間がかかり、白馬47スキー場到着は3時半になってしまった。
 翌日は天候悪化との予報のため、短ルートの八方尾根から八方押出し沢(通称ガラガラ沢)を滑った。

ガラガラ沢源頭部を滑る

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