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丹沢・本間沢
野口 芳裕

山行日 2004年7月18日
メンバー (L)野口、別所、飯塚、紺野、三澤、川崎、田中(恵)、柴田

 7時半に橋本駅に集合して三澤号、野口号に分乗して本間沢に向かう。今回の参加者は、直前に飯塚さんが参加し平均年齢がかなり下がったものの総勢8名で計412歳というなかなかの中高年パーティなのだ。
 3連休の中日と言うこともあって早戸川の林道は車があちこち駐車してあったが幸運にも丹沢観光センターの入り口に何とか2台停車できるスペースを見付けることができ、支度をして出発(9:30)。
 丹沢観光センターの右の踏み跡を辿り適当な所を本間沢に下る。幾つも小滝が出てくるがみな傾斜は緩く楽しくシャワークライムで越えて行ける。沢は明るく入渓者もおらず気持ちが良い。連続する滝を越え二俣の少し手前で最初の1本を取るが、夏はやっぱし沢だよねと皆ニコニコしている。
 ここから沢は少し開け、更に幾つか滝を越えながら行き左手にガレを見ると、再びゴルジュ帯となる。3段25m(2段にしか思えない)のF9の下段に取り付くが、傾斜は大して無いもののモロにシャワーを浴びる。途中まで登ったが寒いので下降してトップを紺野さんに代わってザイルをフィックスしてもらい後続する。上段は、更に水流がモロにかかるところで、三澤さんが最初にトライしたが、途中の残置ハーケンのところまで行って、余りの水流と今一ホールドが無いのとで下降する。紺野さんが登れそうなので行くと言うが、誰も後続する気が無く、飯塚さんを騙してビレーしてもらう。水流を堰き止めながらの迫力満点のシャワークライムだった。本人は溺れ死ぬかと思ったそうだ。これを見た私は全く後続する気をなくし右岸を巻いてしまう。騙してビレーをしてもらった飯塚さんが後続するが暫く粘ったものの余りの水流の多さで断念。この時、大きな岩がゴロリと頭を通過しヒヤリとする。最後に別所さんが寒い寒いと言いながら登る。還暦過ぎてもこの闘志、頭が下がります。さすが昔の猛者だけのことはありますね。
 F9を過ぎやがてF10に着く。過去怪我人を出した滝で最後の落ち口を抜けるところが難しいらしいが、あまり難しそうには見えないものの、だいぶ水をかぶりそうなので右から巻いてしまう。暫くすると急に水流が細くなったので小休止し、最後の詰めに向かう。幾つかのガレを過ぎ水流を忠実に詰めると二俣に出、その間の尾根をエッチラオッチラ登り縦走路に到着。沢装束を解いて本間ノ頭に出(13:00)、丹沢観光センターへの尾根を下った。この尾根は、入り口に通行禁止の看板が出ているが良い道で何ら問題ない。何故通行禁止なのだろう?
 実はこの下降路が核心部だと思っていた。と言うのは下降路の下の方にヒルがいっぱいいて、頭を揺らしながら登山者を待っていると聞いていたからだ。私は、棒を持って一丁勝負したろうじゃんとマナジリを決して歩いていたのだがヒルとご対面できなかった。残念。
 でも、本間橋に着いた時(14:10)には何人かはしっかりヒルに取り付かれていたのだった。


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