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こわ~い話(^_^;)三題
山沢 幸子

 6月に行った山での話です。

〈怖い話〉(あやしい人間?)
 東北の山に行く新幹線での話です。
 11日にテロがあるとのうわさ話が飛び交い(世界貿易ビルが11日でしたので)、交通機関で機動隊が警備していました。もちろん新幹線の改札口でも台の高い所から、重々しく腕組みして見回していました。
 お客様たち皆さん、背広姿と荷物は紙袋程度、そこに長いストックをつけたリュックを背負い、手には沢道具を入れたずだぶくろ・・・充分怪しかったと思いますよ!
 自分の席に座り、手さげを膝の上に置き、一眠り気が付けば、なにか膝の上が冷たい・・そしてすごいにおい、なんと、前に虫除けとしていただいた、韓国のゆりオイルがふたはしっかりしめてあったと思っていたのに膝の上で暖められ、膨張してあふれてきていたのでした。
 周りの人達には悪いけど、どう申し訳するわけもいかずけっこう混んでいたので、においを振りまいてしまいました。
 におい・・・さりん・・・あぶない
そのせいか、車掌さんが何度か行ったり来たり、もうしょうがない、眠った振りをしてました。・・・ひやひや

〈怖い・怖い話〉(おいしいのはどっち)
 山での1日目は山菜採りで遊びすぎ、到着時間も遅くちょっと疲れてしまいました。おかげで、本当にみずみずしいうどがいっぱい採れました。その場で一人1本ずつ白根を試食!本当においしかった。
 ヤナタキ口では荷物を降ろし、みんなで竹の子採り。ヤナタキの下りではシドケをどっさり採りみなさんに持っていただいた、山菜は重かったと思います。ヒラタケとカックイも採れ、今夜のてんぷらが楽しみ。
 いやいや・・こんな話をするのではない・・・
 ヤナタキの巻き道で高い所に登ったとき摩須賀岳の頂上が見えました。残雪が頂上付近に残っていたのです。摩須賀に登っても、これなら見晴らしが利くね~と話していました。
 次の朝、疲れと飲み疲れで、摩須賀に行く気をなくした私は女性同士で、皆いなくなったら、あの淵で水浴びをしようね~と言ってました。ところが、こんな天気良い日はないよ~の一言で、すぐ変更!
 そうだ、摩須賀に登れるなんて、こんな光栄なことはないんだ!
 藪を登り始めてすぐ、どくろを発見。~ヤ~頭蓋骨がある~さすが青森県人、すぐ裏返してこれはカモシカかな? ツノがりっぱに残っているからオークションに出せるよ!
 もう少し登ると、木にびっしりと採りごろのヒラタケ発見、急なのぼりに採取する元気なく、帰りに残しておこうね!・・・?
 進むと大きなワサビの畑を発見、こんな急斜面の中腹にワサビがある?四つんばいになりながら、尾根まで進みました。
 でもここからが、本当の密藪。先に行く2人は直ぐ見えなくなる。後ろからはピーピー笛を吹きながら来る人も見えない、この時はまだ、クマの恐怖はなく、~クマサ~ン 前の二人は筋肉質でおいしいよ~。~後ろの二人は脂肪たっぷりでまずいよ~と声を出しながら行くと~後ろの二人はお腹をこわすよ~と後ろから返事がくる。
 藪と格闘のすえ、やっと残雪を拾えるようになり、頂上が近づいた。一番高いと思われるところに行き、三角点を探すがない。残雪に戻り、待っていると一人が三角点を見つけ、写真に収めてきた。
 その前に、残雪に行き着いたとたん、のん兵衛がリュックから小さなクーラーボックスを出し、雪を詰め始めた。その中には・・・ビール・・・まってまってこれも詰めて!と、私も入れさせてもらう。
 無事、登頂祝いが始まり、ビールで乾杯!あんなに冷たくおいしいビールははじめてでした。
 4人でわいわいと食事をしていると突然、直ぐ近くで、ドスンと木の上から落ちる音。(すごい重さのものが高い所から落ちたような音)ガサガサ ゴソゴソ ザザー
 そこで音は消えました。
 帰りの藪こぎでは、私は2回ほど獣臭を感じました。もう笛を鳴らしっぱなし
 帰りはちょっと迷ったものの、無事帰還。
 後で考えてみると、春はやっぱり筋肉質のほうがおいしいでしょうね! 秋の冬眠前だったら、私達2人はグルメの対象になっていたかも?

〈怖い・怖い・怖い話〉(中世なら美女?)
 今回はほんと~に怖い・怖い話です。
 私は昔から異常に虫に好かれます。
 10年くらい前まで、マンションの4階の自宅から1階へと夏の夕方、スカートをはいて(ストッキングをはいていても)ほんの15分位出ると、戻ってからかゆいかゆい、数えてみると両足で20個くらいのぷっくりと刺されたあと。
 山でも同じ、ヒルがいるので注意しなくては・・・とスパッツをつけスプレーをして、時々点検しても帰ってきたら、靴下の中は血のあと。ヒルさんはお食事済んで、御帰還です。
 もう1度は家のお風呂で脇の下がかゆいな・・・と思ったら大きく膨れたヒル発見、・・・・・・キャーなんで? なんで? 長袖着ていたよ?帽子もかむっていたよ?
 やはり山でジバチに襲われ、3人が刺されました。私が1番目。ふくらはぎの刺し後から大腿部までリンパにそって真っ赤に腫れ、あの痛みはがまんできなかったです。(別所さんは病院にかよったとか・・・)。
 その他、スズメバチ2回・・・もう虫の毒の吸引器は常備しています。またショックがこわいので、ヒスタミンの飲み薬も常備。
 そこで今回の山です。
 帰りの道すがら、一人の男性のおなかにマダニ発見、写真をとり、笑い話にしながら下りました。でも、なんとな~くいやな気がしたので、お風呂で念入りに点検したんです。
 無事。
 ホっとして帰京。
 次の日です、なぜか急にお尻が痛かゆい、
 ~あ~家のダニに刺されたかな?
 ムヒをつけ、夜中に掃除機で大掃除をしました。
 次の日、ますますかゆい、ふくれてきた・・・ムヒをつける。
 次の日かゆみと赤みがだんだん大きくなってきた。
 木曜 赤みが手の平大に
 金曜 どす赤く 広がる
  さすがにちょっとおかしいことに気づく
 土曜 広がる一方
  もしかしたら、見えないお尻にマダニが付いていて、あの痛かった月曜日に取れたのかな?
 1~2日間吸着するということだからインターネットでマダニ情報を調べる。
 日曜 赤く痒く、ちょっと刺された右足がおかしい。当直のため心配だけする。
 月曜 今度の土曜日が当直の為、月曜朝から帰れる。皮膚科受診、東北の藪に入ったこと、ツツガムシ病の症状はないがライム病の可能性があります。・・・と申告。
しかし、藪医者はかゆみ止と塗り薬しかくれない。その塗り薬をつけても変化なし、広がる一方。
 火曜 我が病院の懇意にしている耳鼻科の女医さんにインターネットの資料を持っていき、薬を処方してもらう。
 水曜 薬を飲み始めたらすぐにかゆみが止まった。リンパの腫れは少しある。
 これで、2週間薬を飲み続けます。
 ライム病であったにしろ、なかったにしろ、予防内服します。なにしろ、ライム病のボレリア病原菌はスピロヘータの一種だというのです。怖い怖い!
 ちなみに、まだ日本では症例はすくないですが世界では大問題みたいです。でも気が付かなかっただけで北海道、東北のマダニは3割~5割くらいが病原菌をもっているとのこと。
 風土病で処理されていてあまり話題になっていなかった様子。
 これからは出てくるんでしょうね!
 おなかを刺された男性は後日病院で刺し口をメスでとってもらったとか、病原菌なしで・・・セーフ!
こんなにおいしい血の持ち主だと、中世ならドラキュラに狙われますね!
 ・・・と・・いうことは・・・美女??
 本当にこわいこわい話です。


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