トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ316号目次

ヌクビ沢を経て巻機山へ(米子沢より変更)
平 真里

山行日 2004年9月25日~26日
メンバー (L)藤井、(SL)三澤、箭内、峯川、室橋、平

 はじめに・・・・・・・・前座 藤井和義
 今回、SLとして参加してくれた三澤氏は、過去に10回程当地を訪れていたため、こんなシトシト雨でどうしてくれようかと思案六方の私に良案((1)この程度の雨で安全に行動できるルート (2)初心者のための懸垂下降実施訓練)を提示してくれたのである。そして、このようなはっきりしない天気にもかかわらず、完全燃焼に近い形で本例会山行を終了できたのは、氏及び参加者全員の沢に対する熱意の結晶と言えよう。旨いこといっちゃたね! それでは、お後がよろしいようで・・・

 9月24日(金):22時JR駒込駅集合。22時半に車2台に分乗して出発、翌深夜2時に桜坂駐車場着。月も星も出ていて、これで天気が悪くなるとは信じられない。テントを設営し、酒盛りをして就寝。

 9月25日(土):朝から小雨が降っている。眠り直して7時30分ごろ起床。ヌクビ沢を経て巻機山へ行くことになった。経験が浅く、足許に不安があってみれば、残念なようでもありほっとしたようでもある。9時に合羽を着て出発。樹林が開け、なだらかな一枚岩を水がすべるさまに、思わずカメラを取りだした。登山靴では滑るので、沢靴に履きかえて歩く。広大な景観に息をのむも、前に屈んでは滑りそうになって疲れ切り、しまいには紐で引っ張ってもらった。休憩も含め、1時間30分くらいでヌクビ沢出合。うれしさも疲れも半々で、放心して座り込む。さらに歩くこと約3時間、空を見上げれば青空。下は雲に覆われている。沢から離れた安堵感とともに、来て良かった気分で盛り上がる。急な登りの連続でようやく山道。またもや急な道を息をきらして登り、稜線に出ると沢靴を脱いでひと休み。
 今度は山頂をめざして進む。ずっと先まで見渡せる稜線と青空を背景に、新人3人組(室橋、峯川、平)は何枚も写真を撮りあった。20分程度で山頂に到着。一組の先行者がくつろいでいた。ちゃんと巻機山山頂の看板があるので、全員で証拠写真撮影。そして井戸尾根を下山開始。避難小屋までは笹原のなだらかな道で、展望の良さを楽しんだ。歩くこと20分くらいで避難小屋。現在工事中だった。ここなら、広々としていてテントを張ってゆっくりするのも良さそうだ。前巻機で午後2時40分。コースタイムではあと2時間。日没との競争を覚悟してヘッドランプの準備をした。今度の道は樹林に入って急になる。足場はぬかるんでいてかなり悪い。七合目、六合目、五合目、とひとつずつ減っていくのを励みに、一気に降りた。5時前には駐車場に到着。ヘッドランプのお世話にはかろうじてならずに済んだ。
 身仕舞いを整えたら、町に酒類の調達にでかけテントを改めて設営。夕飯はリーダーの藤井さん指揮のもと、キムチ鍋を作っていただいた。目新しいのは、じゃがいもが入っていたこと。それに、アルファ米でないごはんがいただけるとは思わなかった。わが家よりはるかに豪勢な食材で、おまけに作っていただいて(手伝いしなくてごめんなさい)満ち足りた夜だった。明日の不安を残しては・・・。

 9月26日(日):天気が良ければ米子沢、の予定がやはり思わしくない空模様。行かないとわかったとたん寝直して、7時半ごろ起床。鍋の残りにネギを加えて、ごはんとともに雑炊。朝からたらふく食べてしまった。箭内さんは、朝から元気にお酒を飲む。そして、前日に予告されていた、堰堤での懸垂下降の練習に出かける。三澤指導員のもと、新人3人組が説明を受けた。上の手は添えるだけ、下の手を離さずにロープを繰り出す、とはいえ最初の一歩が怖い。反射的に上の手で体を支えようとして、3人ともひっくり返った。2、3回繰り返して、とりあえず降りられるようになったら、さらに高さのあるところで卒業検定。遠くの車道には、こちらを不審げにうかがう車も見えた。やはり最初の1歩がどきどきするが、踏み出してしまえば、同様に降りられた。確保しないで降りられたところで終了。旧人の方々が降りるところを見れば、1歩が大きく、滑るような降りで、サマになっている。これから練習しよう、と心に誓った。(でもどこで?)
 終わったところで五十沢温泉に移動し汗を流した。広い方は混浴なのであきらめる。そばを求めて、八海山1合目にあるそば屋にたどり着き、てんぷらとおそばをおいしくいただいた。なんだかわからない山菜がめずらしい。帰りは渋滞が心配されたが、さほどでもなく7時すぎには自宅に着いた。
 同行していただいたみなさんには助けてもらってばかり、どうもありがとうございました。おかげさまで山以外も印象に残る山行になりました。懲りずにまたいっしょに行ってください。

巻機山山頂で
〈コースタイム〉
9月24日(金) JR駒込駅集合(22:00) → 出発(22:30)
9月25日(土) 桜坂駐車場着(2:00) → 起床(7:30) → 出発(9:00) → ヌクビ沢出合(10:50) → 稜線(13:50) → 巻機山山頂(14:10) → 巻機山避難小屋(14:30) → 前巻機(14:40) → 駐車場(16:50)
9月26日(日) 起床(7:40) → 堰堤で懸垂下降(9:30) → 終了(12:00)

トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ316号目次