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茂来山・四方原山・御座山
福間 孝子

山行日 2004年9月11日~12日
メンバー (L)福間、三澤、山沢、天城

 前夜車で御座山の登山口の白岩まで入り、車を置いて朝一番のバスで小海駅に出て電車で羽黒下駅へ行く。そこからタクシーで茂来山の霧久保沢のゲートまで入る。茂来山、四方原山を登り、車を置いた白岩へ下る。翌日そこから御座山をピストンするルートをとりました。
 車、バス、電車、タクシーの機動力を駆使して霧久保沢の茂来山登山口に到着。林道を歩き始めるとすぐに木にたわわに実る大きなキノコを発見。すぐに天城さんがなれた動作でキノコ専用袋にどんどん採っていく。あっという間にサンタさんのプレゼント袋のように重くなってしまった。登りはじめる前に荷物がズシリときてしまう。
 霧久保沢の名のとおり道は霧に覆われ幻想的な世界を作っている。しばらく歩くと「こぶ太郎」と呼ばれる大きな栃の木があらわれた。日本百大巨樹のひとつらしい。どのくらいの年月がこれほどの木を育てたのだろうか。ただただ遥か霧の中にとけいく葉先を首をそらせて探していた。ここでたっぷりの水分を補給して山頂へと向かう。
 山頂に着くころには天気はすっかりよくなりすばらしい展望が開けていた。山頂は狭いけれどこれから進む東の肩に広場のようになだらかな場所がある。この先にこれから行く四方原山への尾根が続いている。道は想像以上にしっかりと踏まれていたが、やはり2万5千の地図とコンパスで確認しながらのほうがいいし、また楽しい。樹層はたっぷりと水を含んだ広葉樹林から唐松や熊笹の針葉樹林に徐々に変わっていく。キノコもジコボウやタマゴ茸がこんなに採ってどうするのというくらい採れてしまう。やめようやめようと思いつつ本能にさからえない。
 期待していた藪漕ぎはきれいに刈り払われていて少し残念。起伏も少なくなったころお地蔵さんがでてきた。すぐ真下には林道が見える。ここまで車を使ったら尾根までは5分とかからないようだ。歩くのにあきた頃四方原山の山頂がでてきた。えっ、ここが山頂というほどなだらかで、木に囲まれた広場のようなところだ。なるほど四方原っぱの山、そのとおりであった。時間はまだ早いし大休憩をとって昼寝でもしようとしたが、なんせお日様めいっぱい光線で暑くていられない。しかたなく下ることにした。
 下山は山頂を通り越し、しばらくして南へ下る沢の中の道をいく。この道の荒れ方はものすごい。今年何度も来た台風のせいばかりではなさそうだ。まったく整備の手が加えられてないと言った方がいいようだ。倒木を乗っこしたりくぐったりしてようやく普通の登山道らしくなった頃、今日最後のとどめのキノコの群生発見。登山道入り口でみつけたのと同じヌメリスギタケ。
 この日は白岩の奥の長者の森というキャンプ施設にテントを張る。ここの炊事場を使ってキノコづくし。てはじめにタマゴ茸をいためておそるおそる食す。食べられるとは知っているけれど初めての体験だ。うまい、特に軸の部分の歯ごたえがいい。今度はサラダかフライで食べてみたい。こういう時は料理上手な男性がいるとほんとに幸せだ。身も心も満たされた夜は暮れていった。
 翌日は白岩から畑の中の林道を登山口へと向かう。駐車場は5台ほど止められるスペースがある。御座山頂上までは2時間半程で着くことができる。山頂は岩場になっているが展望がすばらしい。八ヶ岳がすぐそこに見える。さすが200名山といわれるだけあって登山者がたくさんやってくる。昨日は誰にも会わなかったのに。
 下山途中でキノコ採り名人のおじさん一行に出会った。種類がわからなくて採らなかった黒っぽいキノコを一杯採っている。さっそく伝授してもらうとフウセンタケの仲間でいいだしが出るそうだ。しかし一行の通った後は一本も生えていなっかた。恐るべし群馬県人。
 というわけで今回はキノコ採り山行みたいになってしまったけれど、これは偶然の副産物で決して狙ったわけではありません。今年は台風や雨が多かったせいで豊作になったんでしょう。お山の神様に感謝感謝。


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