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追憶
田原 宏史

 裸チョッキのヤゾーさん。先輩達は宮坂さんをそう呼んでいました。あの山行以降山でお会いする機会はなくなりました。
 確か、昭和60年の9月末に、春に亡くなった故鈴木竹次郎さんの追悼山行だったか、表丹沢の集中山行があり、現役は大倉尾根や水無川の各沢を登り、三ノ塔集合と云う山行でした。その日はかなり暑い日だったように思います。
 宮坂さんは藤居陽子さん、渡辺のおかーちゃん、野口さん達5~6人位で、ヤビツ峠から三ノ塔までの筈でしたが、我々は水無の本谷を登攀終了後、表尾根を烏尾山まで下りた所、烏尾山荘前で休んでいた宮坂さん達と一緒になり、ビールを飲みながらしばらく休憩の後、暑い中を新茅荘に向け下山したが、宮坂ヤゾーさんはその時、裸チョッキではなく、たしか下着の上にチョッキを着ていたのを憶えています。
 この頃から調子の良くなかった病気が悪化して、山から遠ざかって行かれたようです。
 会の60周年(平成6年)の頃、病気も小康状態だったようで、記念切手等を収集したり、家の近くを散歩されていたようです。
 大正4年生まれと聞いていますので、89歳でしょうか。

(モートーッ)

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