トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ316号目次

小川山クライミング
小幡 信義
山行日 2004年8月21日~22日
メンバー (L)小幡、小林(と)、天内、成田、川崎、田中(恵)、三澤、深谷、萬徳

小川山というところ
 クライミングする者にとっては、「小川山」=「フリークライミング/花崗岩/廻り目平」ということらしい。
 以下は、「岳人」NO.675『ちゅーくらいのクライマーのための小川山廻り目平案内:藤原守』よりの抜粋である。
 「小川山廻り目平は、高原野菜のレタスの生産量日本一を誇る長野県南佐久郡川上村の東南部、標高1600m~1800mに位置し、川上村を抜け、最後の集落、川端下を過ぎると目の前に屋根岩の岩峰群が目に飛び込んでくる。この岩峰群の向こう側が廻り目平になる。
 小川山でのクライミングは1980年代初期から始まり、今日に至っている。エリア内にはグレード5.6~5.14まで700本近いルートがあり、多くのクライマーを迎えている。
 現代風の高難度のルートは少ないものの、筋肉パワーだけでは登れないルートも多く、バランス、ルートファインディング、プロテクション技術などクライミングの総合力を試される場所でもある。
 小川山のシーズンは5月初旬から10月下旬までだが、7月から9月までは下界の暑さを忘れさせてくれる涼しさが最大の魅力である。」

 8月20日、八王子駅に22時30分に集合し、三澤氏、深谷さんの車で出発。三澤氏の無線の用意により、確実に深谷さんの車をナビゲートし、順調に廻り目平に到着する。道路脇はすでに車でいっぱいとなっており、駐車スペースを確保するのにややとまどったが、どうにか2台おさまった。2時ごろにはテントも2張立て就寝できた。

8月21日
 小林さんは今まで何回となく来ているようで地理にも詳しい。メンバーの技量を考え、ガマスラブが良いのでは、と言う。そういう訳でトップロープを3、4本張り、クライムを楽しむ。スラブは腕力を必要としないため、女性陣も軽やかにバランスをとり気持ちよさそうだ。10時頃になると、他のパーティーも来たので上部のスラブ状岩壁に移動する。私達4名(成田、田中、川崎、小幡)は、2本のルートを登り、テント場へと帰る。いつの間にか各パーティーができあがり、小林・深谷ペアー、三澤・萬徳ペアーでそれぞれの岩に挑んだようだ。
 三澤氏は、仕事の都合で夕方より参加の天内氏を迎えに、また食料の買出しに行っていた。私達はテントに入り、酒を飲みながらひとときの時間を過ごす。夕飯は三澤氏の自慢とする特製カレーで満腹となる。21時前には就寝したが、下界では本日も熱帯夜が続き、寝苦しい夜を過ごしているのだろうか? しかしここ廻り目平は違っていた。疲れとともに居心地のよい眠りに入れた。これだけ多くの人達がキャンプに来る理由がここにあるのかもしれない。空は星が輝き、明日も晴天を約束してくれているようだ。
8月22日
 5時半に起床し、7時過ぎよりリバーサイドエリアで練習。小林さんはルート名ブラックシープに取り付く。グレード5.9+だ。1本目のクリップが遠いのでかなりの慎重さだ。私は、成田さんと左側のルートを登り出すが、フェイスからクラックに変わるとピンが全くない。レイバックで登れそうだが、5m位ピンなし、落ちたら怪我ではすまないだろう。断念するのも悔しいし・・・。ビレイヤーをいつまでも待たせる訳にもいかないのでひとまずロワーダウン、萬徳さんよりキャメロットを2個借り、再度挑戦。初めて使うため、なかなか割れ目にセットできず、時間は経つし、汗はにじむし、セットしても信頼度は無し、全く自信のない、ほとんどA0に近い状態でなんとか完登する。15m位のルートを1~1.5時間かかってしまったようだ。成田さんには申し訳ないことをしてしまった。小林さんチームは隣りのアウトオブバランスルートに移っているようだ。
 昼近くになり、全員ひとつの岩場に集う。ルート名は忘れてしまったが、萬徳さん以外は誰として登れなかったようだ。垂直のクラックルートだ。皆の目が私に言っているようだ。「登ってみろヨ」と。リーダーとしてはここはひとつやるしかないと、岩に取り付くが全くダメ。2、3回落ちながらもトライするが、私のレベルでは無理。変わって萬徳さんの番。何であそこに立ち込めるのと感心しながら見入ってしまった。まるで蜘蛛人間のようだ。このような人をフリークライマーというのだろう・・・。私の岩に対しての技術のなさにただうなだれるばかりでした。
 この小川山で他のメンバーはどのように感じたのか?・・・2日間で2エリアの練習でしたが、他にもいろいろなルートが待っていると思う。来年の夏もまた行きましょう。最後に、車を出していただいた三澤さん、深谷さん、リードしてトップロープを張ってくれた小林さん、萬徳さん、9名のメンバーを安全に楽しませていただきありがとうございました。岩登りをすることにより、登山の楽しみの範囲が広がると確信します。


トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ316号目次