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千頭星山~鳳凰三山
柴田 那奈美

山行日 2004年7月10日~11日
メンバー (L)鈴木(章)、成田、山口、橋岡、三澤、飯塚、柴田

 鈴木章子リーダーのもと、甘利山、千頭星山経由で鳳凰三山に行きました。鳳凰三山には過去数回行った事があるのですが、いつもそのそばにある星のついた名前の山が気になっていました。「夜空を見上げる私たちの頭上に幾千万の星が煌く山」と勝手にロマンチックやっていましたが、ネットで検索してみたら何とも現実的な、「イノシシ、サル、カモシカ等が多い狩猟地、その境界」だそうな。
 当日は朝からどんよりして天気予報は雨とのこと、いつ降り出してもおかしくない空のもと、早々と支度をして、それでも高山植物を楽しみながら、甘利山、奥甘利山ピストン、大西峰と順調にクリア、すこし南下するとカラマツの森の中に何気なく千頭星山。ふーんここが千頭星山か・・・ 何年も心に温めていた山だったのにナ・・・
 足元おぼつかない急坂を下り大馴鹿(おなじか)峠まで来ると、今まで降ったり止んだりしていた霧雨模様の小雨が何だか粒が大きくなって、いよいよ本格的かなと思わせる降り方に変化してきた。とりあえず、カラマツやクマザサに隠れるようにして一本立て、これから苺平に至る章子リーダーご期待のやぶこぎにイザ立ち向かわんと心を新たにしていたところ、見れば、行く手は関係者によってきれいに笹薮は払われ切り開かれていた。そう多くはないヤブコギのチャンスを失った失望感と、わざわざ苦労をしないで助かったと思う安堵感半々の気持ちで、雨の心配の中先を急いだ。
(後日、奥多摩倉沢谷、長尾谷源頭でたっぷりヤブコギのチャンスを与えられ、同行者に迷惑をかけながら、ホウホウのテイで蕎麦粒山付近の登山道に這い出たが、リーダー曰く、あんなの序の口だそうな、私は「へぇー!!!」の一言でした。)
 途中雨は激しく降り出し皆大急ぎで雨具をつけた。約1名雨具を忘れ、どうなるかと心配したが、長年の経験と知恵で見事乗り切った(ように見えた)。  苺平への急登は歩きにくく、雨具は暑く、足元はモゾモゾして、いくらあがいても中々前に進まない。同行のみんなに多大な迷惑をかけ、時間をロスしてしまった。ごめんなさい。
 やっと苺平に着いたものの雨脚おとろえず、「辻山行ってもしょうがない」派と、「せっかくだから辻山ピストン」派に分かれた。天気なら辻山から北岳バットレスや地藏のオベリスクがよく見えたのに残念だった。前者は一足先に南御室小屋に行ってテントを設営。後者もすぐ合流し、テントに入れば外の雨など気にもならず宴会、夕食と楽しいひと時をすごした。男子主導の夕食朝食作りは、手際よく美味しく、こんなとこまで男子に頼っていいの!?と感激してしまった。
 翌日2日目、雨はあがり、鳳凰三山への道は夏らしい明るさに満ち、木々は昨日の雨で一段と緑を深くしきらきら輝いていた。薬師、観音の頂上からはあっちこっちの山々が良く見えた。
 地藏のオベリスクの頂上まで登ろうとチャレンジしているメンバーを待ちながら、その麓で雨に濡れた装備を干したり、昼寝を楽しんだり、おやつを食べたりしながらしばしのんびりした。のんびりしたのもつかの間、イザ下山となると、男子組は脱兎のごとく疾風のごとく、またたく間に私の視界から消えうせた。私たち女子組はドンドコ沢を落ちるいくすじもの雄大な滝を愛でながら約1時間遅れで青木鉱泉に着いた。そのときには男子組はもう入山口においてきた車を回収し、ちょうど女子組の到着にあわせるかのようにお車も到着したのには、男子組の体力に驚き感謝の気持ちを新たにした。リーダー始め皆様には大変お世話になりました。有難うございました。


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