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阿弥陀岳北西稜
荻原 健一

山行日 2004年11月13日~14日
メンバー (L)荻原、小幡

 本当は積雪期に行きたかったが、諸々の事情(といっても大した理由はない)からこの時期にとりあえず行くことにした。3人の子持ちおやじにとっては、山に行けるだけで幸せなのだ。
 当初快速ムーンライト信州で行く予定だったが、今シーズンは12月10日~2月下旬までしか運行しないとのこと&14日の天気が今一よくないらしいとのことで、急遽荻原号で行くことにした。前日の夜に定番の八王子駅南口で最近の私にとっては定番の相棒=バタヤンと合流した。小淵沢ICより美濃戸口へ。さらに、三峰以外ではもはや若くない私としてはなんの迷いもなく林道を詰め美濃戸山荘近くの駐車場まで入る。明日の起床までもう3時間くらいしかないので、ビール1本ですぐ就寝。
 5時半頃起床。まだ暗い中、行者小屋へと向かう。雪は全くない。北西稜末端より数分ほど行者小屋側へ行ったところから取り付く。明確な目印は特に確認出来なかった。ここから約1時間で小ピーク(実質上の北西稜取付点)に出る。途中、下部はカラマツの樹林帯で藪はない。上部はハイマツ帯だが、無雪期も結構人が入っているようできれいに刈り払われていた。積雪期はラッセルが厳しいようで、ここが実質上の核心部らしい。実質上の取付点から通常はザイルを出して行く(終了点まで7ピッチ)ようだが、相変わらず雪は全くなくすいすいとノーザイルで進む。練習で雪がなくてもアイゼンを履く予定だったが、雪のないナイフリッジは結構危険なのでそのまま山靴で行く。ひとつ目の垂壁と思われる手前のトラバースルートからザイルを出してリードする。ここは3級くらいで簡単。垂壁直下でビレーし、ツルベで小幡さんがリードする。新しいペツルをたどって垂壁を直上しようとするが、苦戦している。最初の垂壁は、トポ図によると右側からトラバースするらしいので戻ってもらい、同じように登ってもらう。トラバース後左上し、ようやく垂壁のうえに出る。50メートル一杯ザイルを使った(4級くらい)。なんかトポ図とずれてきてるなぁーと思いながら、続けてツルベで荻原がリードするが、何故かあとは歩いて登れる。もういちどトポ図を見ると先ほどの垂壁は核心の2番目の垂壁だった。と、いうことで終了点は過ぎているのでザイルを外して、そこから数分で稜線に出る。結局2Pで終わってしまった。整理すると最後の核心の垂壁は全部で3つルートがあり、我々が登った右からトラバース後左上するルート、小幡さんが苦戦した直上ルート、左からトラバース後右上(トポ図のルート)するルートとなる。稜線から阿弥陀岳経由で行者小屋に戻り、明日は下山のみなので夜は大いに盛り上がる。
 翌日は予定通り、朝から下山。8時過ぎには駐車場についてしまった。早すぎて温泉もやってなかったので早々に東京に戻り、次回の山行に備え子守に専念した。
 雪がないとちょっと拍子抜けのルートだったが、下見山行としては十分意義あるものだった。  積雪期にもう一度チャレンジしたい。

〈コースタイム〉
11/13 駐車場(5:50) → 北西稜末端尾根付近(8:30~9:00) → 小ピーク(10:00) → 終了点(12:00) → 行者小屋(14:30)


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