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編集後記

 今回は土肥さんの編集長としての最終号です。いそがしい中で編集作業がんばって、山に行けない・・・ということも何度もあったはずです。ありがとうございました。お疲れ様でした。引き継いでくださる西尾さんもよろしくお願いいたします。
 会員の皆様にお願いです・・・原稿提出はおはやめに。ふみあとノートもよろしく。(個人的なことですが、勤務時間の都合で集会にでられないので、ふみあと資料はファックスでいただいているのですが、ときどき地名、人名の判読が難しいときがあります。)
 皆さんの原稿を読んでいると、自分ではとても行けない山を、自分も歩いているようで楽しいです。でも、この山はいつか、絶対、行きたい、と思い続けている山に、新人の方が「雪山1年生にはちょうどいい」、と、さらっと登ってしまった記録を読むと、やっぱり、ちょっと、(ちょこっとだけ、だけど)クヤシイ。

uchi

 昨日、新宿で「運命を分けたザイル」という映画を見てきました。よーこちゃんが誘ってくれました。すごく評判らしいよっていうから、会社の女の子たちに聞いてみたらみんな「ん?なにそれ?」っていう反応でした。つまり三峰で、あるいは山の人たちの中で話題なのでした。
 1985年に起きたアンデスのシウラ・グランデ西壁での遭難からの人知を超えた生還の物語です。実話だそうです。
 25歳と21歳の青年がアルパインスタイルで、誰も成功したことのないその氷壁を登り、下山中に一人が巨大な雪庇ごと落下して足を骨折、ふたりだけでの信じられないような救助を実行中、下ろされている彼が巨大な氷河の上、オーバーハングで宙吊りになってもうすべてアウトというときに確保者のもうひとりがそのザイルを切ったのです。つまり二人死ぬか一人死ぬかの選択でした。
 自分をつないでいたザイルが切断され、クレバスの底から奇跡の生還を遂げるジョーは誰かに見守られて死にたいと思い、それを希望にキャンプにたどり着いた。人間は生きている以上はどんなことでも希望にできるし、どんなかすかな希望でもなければ生きられない。生きることに執着するし他人のことも守ろうと思う。文明の上塗りはこういう当たり前のことをわかりにくくしてしまっているのですね。
 ところで、今回の岩つばめ317号の目次を見て何か気がつきませんでしたか?そうなんです!例会番号が3000を超えたのです。栄えある3000回は、ゲレンデつづら岩での岩登り(原稿は残念ながらなしでしたが)でした。

 さて、編集委員長としてはこの号が最後になりました。2年間で6冊という短い間でしたが、内山さん、服部さん、小堀さんの編集委員の方々には温かく支えていただき、また会員、会友の皆さまにもたいへんお世話になりました。ありがとうございました。
 次号からは西尾さんに編集委員長をお願いすることになっています。どうぞよろしくお願いします。

土肥

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