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山スキーオフピステ滑降訓練・大毛無山
三澤 邦夫

山行日 2005年1月29日~30日
メンバー (L)三澤、飯塚、福間、小堀、山沢、高木(敦)、田中(恵)、深谷、室橋

 三峰山岳会でゲレンデスキーの計画を出すことに躊躇いがあったが、今回は山スキーの訓練という硬派な目的を掲げて例会山行として取組んだ。実際、山スキーではゲレンデの実力の半分も出せないのが実情であり、山行回数を重ねて苦節5年くらいして楽しく滑ることができるように思う。ゲレンデとは言えオフピステ滑降をイメージして滑れば得る所大なので、これからも機会があれば計画する。
 1/29 北信方面に来る時には定宿と化している道の駅「しなの」からアライマウンテンスキー場に移動する。カリキュラムに沿って練習を始める前に各人で足馴らしをする。
 特にクラス分けを意識した訳ではないが、カッ飛び派と基礎トレ派の組が自然とできた。今年から心を入替え山スキーに精進しようとする小堀委員長と一緒に基礎トレを始めると武闘派の飯塚嬢と福間姐が参加してきたので姿勢矯正を意識した練習を繰り返し行う。
 内容は先行動作の基本となるストックワークを中心に行った。意のままにならない悪雪は強引に力で捩じ伏せる必要があるので、上体の捻転力を生むための先行動作をストックの振出しで補うことをイメージした。最初の頃はストックなんか有っても無くても関係ないという感じだったが、上体のブロックが強くなるにつれ、全員良い姿勢に変わってきた。
 午後から皆で大毛無山にハイクアップして新雪滑降の稽古をする。アライマウンテンは圧雪しない斜面を残しているので、今回訓練の目的に叶うスキー場である。大毛無山山頂はリフト終点から標高差150m程度の登りで到着してしまう。途中で息切れして休む若い人達をサクサク抜いて行く。山頂から50m程細い尾根を下り新雪斜面に向かう。突撃隊長の高木アッちゃんが気持ちよくS字を描いて降りた後を皆が続く。新雪は転ぶのが当り前だがターンが連続してキマると嬌声をあげて喜んでしまう。ホンの一瞬の新雪滑りだった。
 その後3時頃まで潅木帯で楽しんで1日目は終了。スーパーで食材を仕込み、妙高の貸別荘になだれ込む。近隣苦情のない貸別荘は夜遅くまで歌声が鳴り響いていたようだ。
 1/30 昨夜の積雪は40cm。新雪滑りの絶好の機会なので、杉の原スキー場最上部の新雪斜面めがけて突撃する。少々重いが新雪滑りの練習ができて当初目的はなんとか果たせた。もうひとつの課題である荷物を背負った滑降は割愛したが、一応「抱え込み曲げ回し」の薀蓄だけは披露しておいた。荷物を背負った場合には身体の上下動がスピードについて行かないので腰から上を固定して下半身だけでターンを完成させる、ベーレンテクニックという古典芸能が山スキーでは有効だと思うのだが、意図するところが伝わったか判らない。
 初日に目一杯楽しんだので2日目は午前で切り上げることにした。半日でもゴンドラを何度も使って杉の原スキー場の上から下までノンストップ滑降を繰り返したので、最後はヘロヘロ状態になってしまう。
 今回訓練で何かひとつでも得る所があれば企画者としては嬉しい限りである。これから続く山スキーに繋げて行きましょう。


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