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雪上訓練・谷川岳天神平
さとうあきら
山行日 2004年12月18日~19日
メンバー (L)佐藤、福間、道祖土、小堀、飯塚、天内、高橋(俊)、荻原、川崎、平、峯川、深谷、田中(恵)、三澤、橋岡、成田、高木(敦)、越前屋、天城、小幡

 毎年恒例の雪上訓練を、今年は谷川岳天神平で行った。例年であれば富士山吉田口の五合目上で行うことが多いのだが、あいにく土砂崩れのため富士スバルラインは不通。そのためか富士山で実施予定だった他の山岳会も軒並み天神平に流れてきたらしく、雪上訓練用の斜面は大盛況だった。
 今回特筆すべき事として、参加者が20名もいたことがあげられる。最近は若い入会者も多く、会活動に活気が戻ってきた。それにつられてか旧会員のモチベーションも上昇傾向である事がうれしい。そのため、今回は雪山初めての新人向けと初・中級者のステップアップに配慮したカリキュラムを策定し、雪山登山の基礎的な技術を広範に習得・復習出来るように計画した。
 金曜日夜、天神平ロープウエイの駐車場ビル6階に車5台で集合し、床暖房の効いたロビーで宿泊。他の登山者が就寝中のためプチ宴会が出来なかったのが残念ではあるが、それぞれひっそりと寝酒を楽しんだようだ。
 翌土曜日、ロープウエイで上がった天神平は積雪が30cmと例年に比べても少なく、スキーコースは閉鎖のままだ。そのため天神峠の右側、田尻尾根をつぼ足で登り、熊穴沢避難小屋へと続く稜線にテント4張を設営した。その後4パーティに別れ、すぐ下の斜面で訓練を開始した。
三峰の面々勢揃い  今回は寡雪のため雪崩埋没などを想定した訓練が出来なかったのは残念である。一方、連日の晴天で積雪中の霜ざらめ層の発達が著しく、二日目の朝に行った雪崩判断講習時には前夜の降雪も幸いし、顕著な弱層の存在に皆驚かされる次第だった。また雪上搬送技術については近年入会された三澤氏が講師となり、経験を踏まえた実践的な講習が行われた。

雪上搬送訓練  個人的な所見で恐縮ではあるが、二日間びっしりの訓練内容は、初級冬山登山者にとって満足頂けたものと認識している。さらには会の企画山行などへの参加で経験を積み、より総合的な冬山登山技術を習得出来るよう会運営に配慮されたい。
 また夜間、それぞれのテントをはしごしての飲み会も盛り上がり、山岳会ならではの仲間との交流を満喫した、という新人の声も聞いている。オラもいい仲間が増えて楽しかったよ。

なお2日間の訓練内容は下記の通りである。
【12/18 AM】
☆初心者組 キックステップ、ステップカット、滑落停止、アイゼン歩行、耐風姿勢
☆初・中級者組 雪用アンカー埋設方法、スタッカット確保技術、肩・腰がらみ、スタンディングアックスビレイ、コンテ確保技術、大阪方式
【12/18 PM】
雪上搬送技術 柴ぞり、ツエルト利用、1/3の引き上げ方法
【12/19】
雪崩判断技術 雪層判断、ハンドテスト、スコップコンプレッションテスト
雪崩捜索技術 雪崩ビーコン捜索、ゾンデ探索


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