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広沢寺(岩トレ)
坪松 聖幸

山行日 2005年4月10日
メンバー (L)小幡、荻原、越前屋、峯川、前野、石川、川崎、道祖土、平、坪松

 自分が三峰に入ってから2回目の例会山行で、しかも人生初めての岩登り・・・。何を隠そう自分は幼少の頃から高い所が苦手でビルの屋上に上がることさえ恐ろしいと思っていた男なので、当日はドキドキものでかなりビビリながら集合場所の本厚木駅に向かいました。いったいどうなる事やら・・・。
 駅に到着すると自分が一番乗りだったようで、周辺を眺めながらここらへんは自分の実家周辺と違ってだいぶ賑わっているなーと感心しつつ、こんな盛り場に岩登りをする場所があるのかと疑問に思っているうちに皆様方が到着され、バスに乗り現地に出発。岩場の近くのバス停で下車し、岩場まで少し歩いて行くという事で春の風を感じながらのんびりと歩き、駐車場で越前屋さんと合流。久しぶりの外出に気分よく歩いているとやがて岩場が見えてきて、本当にあんな所に自分が登れるのだろうかと緊張する。ジャージに着替えて靴を履き、まだ買ったばかりのハーネスとカラビナ類を身につけ格好だけは一人前になる。今日は岩登りがどのようなものか勉強させてもらおう。
 小幡さん組と荻原さん組の2組に別れて訓練を実施するという事で、自分は小幡さん組に入り、最初に八の字結びを教わりましたが、脳ミソが足りない自分にはちょっと難しく平さんにも教えてもらいながら何回も練習して体で覚えるしかないと感じました。隣では、インストラクターとその生徒の人が訓練を実施しており、体重移動が何たらかんたらと言っており、片手だけで登らされていました。最初に小幡さんや越前屋さんが軽やかに登って行くのを見学させて頂き、自分が登っていく姿をイメージする。やがて自分が登る事になり見よう見まねで岩に取り付き力任せに登ってみる。最初はちゃんとしたホールドと足場があり、登る事が出来たが、そのうちにつかむ場所が小さくなってきて恐怖心から全身に力が入り前腕が張りそうになる。それでも何とか登り切りほっとしたのも束の間、そのまま降りてくるようにと言われ、登る時以上に緊張しながら慎重に降りる。一歩一歩確実に、ホールドをしっかり探して・・・。それだけを意識しながら地上に無事ついたときは、すごくほっとしました。地上って素晴らしい!
 2回目も同じような感じで登ったが、先程よりも体がスムーズに動き、真っ平らだと思っていた岩の表面にもよく見ると凸凹している箇所があり注意深く観察して登る事が大切だと実感する。今度は、確保の仕方を教わり、確保する人の立つ位置、ロープの送り出し、墜落の止め方を教えてもらい、自分が確保して平さんが登る事になったが、ロープの送り出しに手こずり、靴擦れの痛みで少し注意力散漫になり靴を脱ぎたいと思いはじめる。皆さんよくこんな小さい靴を長時間も履いていられるなあ。
 緊張と足の痛みで午前中があっという間に過ぎ、登る場所を変えて岩場の一番上に登る事になり小幡さんと荻原さんに最初に登って頂く。自分は、と言うと越前屋さんから靴、スリング、ヌンチャクをお借りし道具の使い方の御指導を受ける。これから色々な道具を揃えるとなるとお金も掛かるし大変だなと感じ、給料日がとても待ち遠しくなった。峯川さんにどの辺を登ればよいかをお尋ねした所、岩の割れ目の所を登って行くのが良いと言う事なので自分もそのように登ろうと思い、岩の割れ目に指や足を突っ込んで、また力任せに登る。そこでちょっとしたアクシデントがあり、一緒に登っていた平さんのザイルと自分のザイルが絡んでしまい、しばし立ち往生となる。自分も如何にしたらよいか解からずに慌てる。それでも何とか体を入れ替えたりしてザイルの絡みを直したが、腕が張ってきてまた足が痛くなり必死の思いで上までたどり着く。脂汗も出たし、とってもおっかなかったよ。
 最後に荻原さんにエイト環の装着を教わり、懸垂下降で下まで降りることになり、多少抵抗はあったが、降りないと帰れないのでへっぴり腰でゆっくり降りる。足で岩をけるような感じと、ご指導を頂いたが降りるのに必死で何も出来ませんでした。
 ああ、何であんなに登るのは苦労したのに降りるのはすぐに終わっちゃうんだろう。帰りは、知らぬ間にバスの中で寝てしまい心も体もとても疲れた状態でした。でも、心地よい疲れで新しい事にチャレンジでき、とても充実した一日を過ごすことが出来ました。このような経験は、三峰山岳会に入らなければ出来なかったと思います。皆様、どうかこれからも御指導、御鞭撻宜しくお願い致します。

すだれ状の中、人生初の岩登り

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